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群雄割拠のアレとコレ  作者: 坂本杏也
信長の椅子と桶狭間
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【十六】

 ボスエリアに入り四人が横一列になって足を踏み入れる。事前に話していた通りまさひ以外の三人はその場からほとんど動かずにゆっくりと足を進める彼の後姿を見つめていた。

 ボスの威圧感に押されてしまい、中々進む足が前へと出て来ない中、数秒を掛けて信玄の目の前に達したまさひはその場でゆっくりと生唾なまつばを飲み込んだ。そして、深呼吸を挟んでから後ろを振り返り、

「行くよ?」

 と、戦闘開始の合図を送ってすぐに正面を向き直して一撃を叩きこむ。そして、

「技能:仁王門におうもん

 彼の取得している技能の中でも特に防御に優れた技能を発動させて、信玄の攻撃、風林火山の風を待つ。

 まさひの後方では万が一の為に回復待機をする葵とボスからの初撃が終わらないと動き出せないりさが真剣な面持ちで戦闘の行方をうかがっている。その中で、唯一光だけが、彼の防御力を更に上げようとバフを掛ける。


「疾きこと風の如く」

 信玄からの言葉とほぼ同時に見えない斬撃がまさひの身体を襲う。真正面から見ていた彼ですら捉えきれない程のスピードで振り下ろされた剣先は確実に大ダメージを与えるに値する衝撃と音を周囲にまき散らしているが、受けたまさひは体力の四分の一程のダメージを受けただけで平然としたまま立っている。

 それを確認して葵の回復矢が彼の身体目掛けて飛び出し、りさも援護に向かう為に駆け出す。そんな走り出した彼女にもバフを掛け、光も後に続いて行く。

 初めて戦うまさひやりさに比べたら随分と落ち着いている彼は、次のボスの行動を先読みしながら自分が次に何をすべきなのかを考えて動く。前日の戦いでは最後の最後に大打撃を受けたという事も忘れてはいない。


 現在のパーティーには昨日の茜音のように突出したアタッカーはいないが、防御が優秀な前衛とそれを支える中前衛のりさ、そして更にその二人をサポート出来る光がいる。そして、何よりも大きいのは防御が優れている前衛がいることで回復をしなければならない回数がグッと減るということであった。本来、遠距離攻撃を得意とする葵が本職ではない回復役として動かなければならない数が減ると、相対的に全体のダメージアップに繋がって来る。

 壁役であるまさひの後ろから顔を出して薙刀なぎなたの技能で攻撃をするりさは、ボスからの攻撃を受けないように上手くまさひを利用している。この辺は付き合いが長いからこそ出来る阿吽の呼吸なのだろう。更に、彼女の使っている武器、薙刀にも前日の戦いで茜音が見せたような相手の武器を失わせてしまう技能があり、その技能『巻き落とし』を利用して敵に攻撃をさせない時間を長く作ることが出来た。


 その後も信玄の風林火山は次々と四人を襲って来るが、バランスの良いこのパーティーは大きく崩れることも無く戦闘を続けて行く。討伐時間だけを見れば紆余曲折あった前日のパーティーの方が圧倒的に早かったのだが、事故が起こりにくく、ゆっくりでも確実にボスの体力を削っていく今日のパーティーには安定感があった。


 最後は前衛を務めるまさひが、日本刀を両手で握って上段から斬り下ろす『全身切り』で信玄に止めを刺した。

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