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群雄割拠のアレとコレ  作者: 坂本杏也
恒例行事と公式行事
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【六】

 光は敵の刀を受け、いなしながら考える。

 葵に援護を頼んだのは良いのだが、先日戦ったボスモンスターのように見るからに身体が大きい訳ではない為に、間違いなく自分が彼女の射線上に居て弓での攻撃の邪魔をしている。葵の技能である『集中』を使って命中率を上げたところでそもそも狙うものが見えなかったら意味は無い。かと言って自分が敵の背後に回って狙い易くしたとしてもターゲットが葵になり、より危険な状況になるのは目に見えている。なんとか一度でも敵に矢を当てることが出来れば『継ぎ矢』で追撃が可能になるのだが……。

 考えている間にも敵の攻撃は絶え間なくやって来る。右肩から斜めに入る斬り下ろし、流れるように今度は左肩から斜めに斬り下ろす。その繰り返しかと思えば、刀を返して斬り上げてくる。

 今まで出て来たどんなモンスターよりも動きが読み辛い。

 そう感じているのは後方にいる葵も同じであった。彼女は『集中』を使って矢を目一杯まで引き、光を狙う相手へと狙いを定めて今か今かと指を離す瞬間を待っているのだが、次にどんな攻撃がやって来るか読みにくい為に中々そのタイミングが掴めない。


「あぶっ!」

 突然の突きに声を上げた。

 真っ直ぐに眼球を狙って伸びて来る剣先を自分の刀で弾き返す防御と尻餅を着いて何とか致命傷は避けようとする回避でかわした。その瞬間、

「三秒、そのまま」

 背後から葵の声がする。

 一、二、三、と自然に心の中でカウントダウンが始まり、「さ」が始まった瞬間には葵から放たれた矢がしっかりと武者の胸に突き刺さっていた。

「さすがっ!」

 全力で叫びながら立ち上がり、体勢を立て直す。一瞬でも出来た隙を大事に使い、自分に攻撃力上昇と防御力上昇の技能を付与し、再び刀を構える武者に相対する。が、先程までのように押されるといった緊張感は無く、若干ではあるが心に余裕が生まれている。

「一回クソダサく尻餅を着いたおかげかな?」

 言って斬りかかる。

「さっきまでのヤラれるかもしれないって緊張感が無くなった」

 防がれ、刃は敵には届かないが、押し負けない。ジリジリと足を進め、

「ぐぬぉ……」

 という敵モブからの声が漏れて来る。更に葵の技能である『継ぎ矢』も再び胸に命中し、光が一気に攻める。刀を弾き、鎧の隙間目掛けて刀を振り下ろした。


 あまり手数を与えていない割に簡単に敵が倒れてしまったことで、

「あれ?」

 と、光は不安そうな声を上げる。

「倒しましたね」

 そこに心配して駆け寄って来た葵が、後方から顔を出すようにして倒れた敵モブを確認しながら言った。

「なんか、思ってたよりも体力少ない」

「何か腑に落ちない感じですか?」

 そんな質問よりもいつの間にか自然に敬語に戻ってる彼女の言葉に引っ掛かり、

「葵、敬語に戻ってる」

 と、冷静に指摘をして敵からのドロップ品を拾う。

 中にはお金だけしか無く、お目当ての物は入っていなかった。

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