ちょっと笑える短詩二編
《カミ屑》
パチンコ店では、みな、千円札をカミ屑のように使う
ぼくは、お金がなかったので、ちょくせつ、じぶんのカミを玉貸し機に入れて玉を借りた
大負けしたので、ぼくのカミはだいぶ、うすくなった
《夜なべ》
祖母は毎夜、孫のために夜なべをして裁縫にはげんだ
子供の両親は、早くに、交通事故で他界していた
ある夜、子供が学校で雑巾がいるというので、祖母は凍てつく寒さの痛さも睡魔もがまんして、夜遅くまで裁縫にはげんだ
束の間の居眠りから覚めると、雑巾は祖母の手に縫い付けられていた
にやり、となる詩があってもいいじゃないか、そんなことを思って書きました




