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幽霊の遊戯  作者: S音
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自由になった

…ドンッ


鈍い音に少し遅れて強い痛みが自分を襲う。自分はもう死ぬのだろう。走馬灯らしきものが流れている。こういう時くらいは楽しかった思い出だけ流れてくれればいいのに辛かった思い出まで流れてくるらしい。でも不思議と自分の死はすんなり受け入れられた。それはもう、自分でも驚くくらい自然に。

死を間近に感じ考えたのはやはり家族のことだった。半ば嫁に押し切られる形で結婚してしまったがそれなりに楽しく暮らせた。子供も生まれ、一般的な理想の家庭を築いていた。ああ、明日は授業参観か…。嫁が忙しいから自分が絶対行ってあげると約束したのにこんな風に約束を破ることになってしまうなんて…。最後まで自分は駄目な父親だ。

しかし、それよりも心残りなのは自分の気持ちに嘘をつき続けてきてしまったことだろう。嫁はもちろん大切だが自分は女に興味はない。まあ、だからこそ、浮気をせず、いい旦那でいられたのだろう。でも1日でいいから正直な気持ちでいたかった。まだまだ人生は長いと高をくくっていたのが失敗だった。そろそろ身体が地面に着きそうだ。きっと着いたら死ぬのだろう。それなりにいい人生だった。


ありがとう。



ドサッ…。痛っ………。


あ、あれ?意識ある、のか???あれ、でもこの死体は間違いなく自分のものだ。ていうか自分の姿が見えるって…自分は誰だ?まあ、とりあえずここから離れた方がいいか。死体と一緒にいるなんて気味悪い。


ウゥゥゥゥ………

警察か。てことは本当に事故はあったんだな。自分の身体がストレッチャーに乗せられて運ばれてくなんて… でもこれで私は自由の身を手に入れたことになるのか!じゃあ、いつまで持つか分からないからやりたいこと優先するか。




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