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#84 意味深な謎(1)

貴哉さんには、自宅の前まで送ってもらった。



「……今日はありがとうございました」



「なんか、悪いことしたな……」



「どうして……!?貴哉さんは何も悪くないですよ!」



「……」



「……」



少しの沈黙が流れて。



「お前の口から、改めて『好き』って言葉が聞けて嬉しかった」



貴哉さんの突然の赤面に、私も顔を真っ赤にした。



無意識のうちに口から飛び出してしまったことを後から改めて言われると、なんだか恥ずかしい。



「俺も、お前が好きだから……」



頬を染めたまま頭を撫でられて、心臓が止まるかと思った。




彼の後ろ姿が見えなくなると、向き合わなければならない大きな問題に向かうべく、家の中へと入った。






夫の不倫の事実を告げられた母は、表情を沈めたまま沈黙を守っていた。



私の横で、父は頭を下げていた。



「……顔を、上げてください……」



母は壁の一点を見つめたまま、表情ひとつ変えずに言った。



そして、すくっと立ち上がると、自分の部屋へと消えていった。



私はその時、父親の不倫がショックだったのだろうと単純に思ったが、母の態度に何か違和感を覚えた。

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