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#57 恋愛感情の闇(4)

真正面からじっと、何もかもを見透かしたような目で見つめられ、私は目を合わせられなかったのと同時に、震えを抑えられなかった。



彼は、俯く私の顎をクイッと持ち上げ、頬のアザに軽く触れた。



ズキっと重く痛むそのアザは、昨日拓馬に殴られたときのものだった。



「こっ、これは……、転んでベッドの角にぶつけちゃって……」



けれど、私の嘘は彼には通用しない。



「誰にやられた」



睨むような彼の瞳に、私は震えが止まらなかった。



そんな私をナギは優しく包むように抱きしめる。



凄く心地が良かったけれど……



(私、ナギに触れられる資格、ないよ……)



罪悪感が込み上げ、身体が彼を拒んでいた。



「本当に、何でもないの……」



私はそっと彼の腕を振り払った。



こんな身体で彼に触れたくない。



己の傷の埋め合わせのように彼に抱かれても、彼の優しさを利用する形になるだけ。



ナギのことが大好きで、何よりも大切だから、そんなことは絶対にしたくない……。

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