表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/89

#56 恋愛感情の闇(3)

頭に鈍い痛みが走り、私は目を覚ました。



私はひとり、校舎裏で気を失っていたようだ。



拓馬の姿はない。



起き上がると、下腹部に嫌な痛みが走った。



「いたっ……」



震えが止まらなかった。



不本意に拓馬を受け入れてしまったことやその恨みの大きさが、薄れかけていた弥生に対する罪悪感を呼び起こした。



そして何より、ナギを裏切る行為をしてしまったという思いが大きかった。



いくら、私が望んだことではないとしても、拓馬と交わってしまった事実は変わらないし、二度とナギの前に身体を晒せない、そう強く感じた。





……ナギに知られることが怖かったのだ。






私は衣服を整え、震える脚で薄暗い学校から逃げるように去った。



その後ろ姿を、私を探していたナギが見ていたとも知らず。







次の日から、私はナギを無意識に避けるようになってしまった。



彼と正面から向き合って、拓馬と交わったことがバレてしまうのが怖かった。



結果としてナギも私自身も傷付けることになるとわかっていても、事実を話す勇気が起こらなかった。



しかし、勘の鋭いナギが私の異変に気付くのに時間はそうかからないわけで。



昼休み、私は彼に誰もいない教室へ連れ込まれてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ