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#47 味方(4)
「俺はベッドの下なんてベタなところにエロ本は隠さねぇぞ?」
突然の声に驚いて振り向くと、ニヤニヤ顔の浅香くんがお菓子を持って立っていた。
「ち、違っ……!私はルルを追いかけてただけで……」
私が赤面しながら答えると、浅香くんもベッドの下を覗いた。
「ルルの奴、またここに入りやがったのか。汚ねーから出て来いよ」
浅香くんが手を伸ばすと、ルルは起き上がって彼の手に擦り寄ってきた。
「さすが飼い主」
彼の腕の中で、ルルは気持ち良さそうに目を閉じた。
それから、私たちはお菓子を食べたり雑談をしたりして、楽しく過ごした。
嫌なことなんて何もかも、一時的に忘れられた。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
「あぁ、またルルに会いにでも来いよ」
「うん、絶対来る!」




