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#42 喪失の先に(4)
彼は耳元で言った。
「……お前が好きだから、手放す……」
身体を離し、軽く触れるだけのキスをすると、彼は振り返らずに帰っていった。
私は誰もいない薄暗い公園で、声が枯れるまで泣いた。
私に、何も言わせてくれなかった。
学校以外では会いたいとか、私もナギを巻き込むのが嫌だって考えてたとか、私もナギが大好きだとか……。
何も聞かないで去っちゃうなんて、酷いよ……。
でも、ナギも辛かったんだよね……?
いっぱい悩んで、やっと出した答えなんだって、
私が傷付かないように考えてくれたんだって……。
そう思っていいんだよね……?
次の日、いつもの待ち合わせ場所にナギの姿はなかった。
いくら待っても彼が現れないことを知っているから、悲しみに沈みながら私はそこを素通りする。
ナギにとって、私は何なんだろう?
……じゃあ、私にとって、ナギの存在は……?




