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#41 喪失の先に(3)

弥生が自殺をしてから、私はさらにクラスメートから睨まれるようになった。



弥生がいなくなった今、私のそばにいてくれる友人は誰ひとりいない。




『弥生、自殺するくらい辰巳くんのこと好きだったんだー』


『ちょっと重くない?』


『てか、こんな状況になって、よくあの2人付き合ってんな』


『ホントに。目障り』




クラスメートは、弥生の両親が別居していたことを知らない。



殺害された高山航さん、が弥生と関係があったことも知らない。



ただただ、私だけが原因だと、そう信じ込んでいる。



私はナギとの交際に限界を感じた。



ナギとは別れたくない。



でも、自分のせいでナギにまで害が及ぶのはもっと嫌だ。



そんな葛藤を繰り返していたある日。




帰り道、彼は公園に寄った。



大事な話をする時、彼はいつもここに来る。



私は覚悟を決めた。



「……別れよう」



彼は私を見ずにそう告げた。



私は静かに涙を流して黙っていた。



「……俺と付き合ってるせいで、ヒメコが悪く言われることに耐えられない」



彼はきつく私を抱きしめた。



苦しくて息ができなかったが、この温もりもこれが最後だと思うと、そんなことはどうでもよかった。

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