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#40 喪失の先に(2)
祝・40話( ´ ▽ ` )
これからも応援よろしくですm(__)m
ナギは、最早涙すら出ない私の顔を自分の胸に埋め、何もかも忘れてしまうくらい強く私を抱きしめた。
私がもっと早く弥生の家に着いていたら。
私が気を失わなければ。
私が弥生に隠し事をしなければ……。
私が、私が……!
弥生の死に、少なからず私が関わっている。
そんな事実が、激しく私を責め立てた。
弥生は私に「ありがとう」って言った。
そんな、私は貴女に感謝される筋合いなんてないのに……。
自らの首を自ら切り裂いて、血に塗れて死んでいった彼女。
その派手な死に様は、自分を捨てた両親に、
自分をいじめて悪口を言ったクラスメートに、
航くんを刺し殺した男に、
そして、桃園姫虎、私自身にも見せつけているように感じた。
その「ありがとう」の言葉は、偽り……皮肉だったと。
そう思えてならない。




