表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/89

#37 堕落の果てに(9)

弥生の声は、今にも消えてしまいそうだった。



「弥生!?今どこにいるの!?」



『……ーー犯人は今も逃走中です。不審な人物を見かけたらーー……』



弥生の背後から、微かにテレビらしき音が聴こえたが、消されてしまったのかすぐに静かになった。



テレビの声は、確かに航くんが殺害された事件のニュースだった。




……弥生は航くんの死を知ってしまったんだ。



あの日のふたりは、初めて会ったとは思えないほど意気投合していた。



ナギによると、航くんも次また弥生と会えることを楽しみにしてくれていたらしい。



どうして次々と弥生を不幸な目に合わせるの……?



まるで、弥生を闇の世界に引きずり込んでいるかのように……。




「家にいるんでしょ!?今行くから、待ってて!!」



私は涙に塗れながら叫んだ。



「来ちゃ、ダメ……!」



絞り出すような弥生の声が聴こえた。



「……ヒメコには、見られたくないの……。最期に……ヒメコの声……聴き……くて……」



途切れ途切れに彼女の声が聴こえる。



まさか……もう……!?



「弥生!?何、最期って!?」



「……ヒメコ、いっぱい……迷惑……ごめ、ね……。ありが……と……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ