#28 美しき愛情(6)
帰り道、私は今日あったことを全て話した。
「ヒメコも弥生も、気にすることねーよ。ったく、事を大きくしやがって、部外者は引っ込んでろよな」
ナギはそっと手を繋いでくれた。
「……っつっても、不安だよな……?」
立ち止まって私の顔を覗き込むナギの表情が切なくて、でもどこか頼り甲斐があって、胸に込み上げるものがあった。
「……ううん、大丈夫。……ナギがいてくれるから、何も怖くないよ?」
繋いだ手に、少しだけ力を込めた。
ナギの家の前は、私たちの別れ道だった。
「気を付けて帰れよ」
そう言ってナギは手を離した。
「うん……」
けれど、歩こうとしても足が地面にくっついているように、その場から動けない。
「名残惜しい?」
ナギはからかうように言ったけど、私がこくりと頷いたのを見て、真面目な顔をした。
「来いよ」
今度は無意識のうちに足が動いていた。
ナギの部屋に入ると、私たちは深い口付けを交わした。
とろけてしまいそうな脚を震わせていると、肩をしっかりと抱きしめて、……ナギは私に触れた。
思わず声を洩らすと、私から聴こえる音と、離れたばかりの唇から囁かれるナギの声が共鳴した。
「……ヒメコは素直だな。心も、身体も」




