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#26 美しき愛情(4)

「そんな……、私のせいなのに……、弥生は悪くないのに……」



私は涙を必死に堪えて、泣きじゃくる弥生の頭をそっと撫でた。



「しかも、クラスにもう広まったみたいで……、さっきの授業中、ヒソヒソ声が聞こえたの……」



その内容は、私や弥生を批難するものだったらしい。




『ヒメコと2組の辰巳くん、付き合ってたんだってね』


『それなのに、弥生の恋愛相談受けてたんだろ?』


『ホント、嘘つくなんてサイテー。弥生ちゃんカワイソー』


『でも、弥生も弥生じゃない?友達に彼氏いることくらい気付けって感じじゃん?』





「私、耐えられなくて……。自分のこともだけど、ヒメコの悪口言うなんて……」



弥生はまた声を上げて泣き出した。



「弥生、午後の授業は保健室で休んでなよ。今は教室にいたくないでしょ?」



「うん……。でも、ヒメコは?」



「私は大丈夫。何言われたって、弥生に嘘ついた罰だと思って受け止めるから」





お昼を食べた後、私は弥生を保健室に連れていった。



「ヒメコ、ありがと……」



弥生はか弱い笑みを浮かべてベッドに入った。



何故か、その時の彼女の声の響きと表情が頭にこびりついた。




その後の授業や休憩時間は、聞き耳を立てていたけれど、私たちのことを話す内容のものは聴こえてこなかった。



5時限目終了後に保健室へ行くと、弥生は早退していた。




私は、放課後になるまで、誰とも口をきかなかった。



全員が私を蔑み、睨んでいる気がした。

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