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#25 美しき愛情(3)

昼休み、弁当を一緒に食べようと弥生を誘いに行くと、彼女は机に伏せていた。



「弥生、お昼食べよ?」



しかし、私の声に反応して起き上がった彼女の瞳は真っ赤に腫れていた。



「弥生!?どうしたの!?」



「ヒメコ……」



私の顔を見た途端、弥生の顔がくしゃっと歪んで、堪えていた涙が溢れ出した。



弥生の手を引いて誰もいない教室に行くと、嗚咽を抑えながら彼女は口を開いた。



「さっきね……うくっ……朋花が来てね……」






◆ ◇ ◆



「ちょっと、弥生?」


「あ、朋花。なぁに?」


「なぁに、じゃないよ。さっき言ってたヒメコと辰巳くんの話、どういうこと?」


「だから、ヒメコと凪冴くんは内緒で付き合ってたの。中学の時からだってさ。あんなにラブラブで、羨ましいよ」


「そうじゃなくて……。アンタは悔しくないわけ?」


「それは、初めは驚いたし、頭にも来たよ?でも、2人が夫婦みたいに見えちゃって、敵わないなって。しかも、イケメン紹介してもらっちゃったし!」


「それってさ、誤魔化されてない?弥生のこと騙してた挙句、他人で我慢しろってことじゃん」


「2人のこと悪く言わないで!ヒメコは私のせいで悩んでたんだよ。もし私がヒメコの立場だったら本当に嫌だったと思う。しかも、もう終わったことじゃない」


「……私、弥生わかんない。そんなことされて、よくポジティブでいられるよね。ホント、引くわ」



◆ ◇ ◆

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