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#21 悪魔になった私(9)
弥生は、何からツッコめばいいのか分からないといった表情で、呆然と遠くを見つめていた。
「弥生、ごめん……」
私は身を低くして謝った。
こんな風に見せつけるような形で真実を告げるのは、一番避けたかった。
弥生は、ははは、と力無く笑った。
「そういうことなら、言ってくれれば良かったのに。私たち親友じゃない」
そういう弥生の瞳からは、大粒の雫が次々と溢れている。
「弥生……」
「これは……助かって安心しただけ…….。そう、びっくりしちゃっただけ……」
まるで、自分に言い聞かせるように彼女は呟いた。
「私……、本当にごめんなさい……。弥生に酷いことした……」
「気にしないで、ヒメコ。鈍感な私が悪いの……。凪冴くんよりも素敵な男、すぐ見つけてやるんだから!それより、さっきの人たち、凪冴くんにすごくビビってたみたいだけど?」
「それは……」
私はその理由を知っている。
言っていいのか迷ってナギを見上げると、彼ははにかみながら口を開いた。




