#20 悪魔になった私(8)
「この女に触れて、タダで済むと思ってんのか……?」
ナギが発した低音に、ギクッと男の肩が跳ね上がる。
「てめっ、ナメた口ーー」
ところが、今にも殴りかかりそうな勢いの男を先に立ち上がった男が青ざめた顔で制止した。
「オイ、待て……。こいつ、もしかしてよ……」
「何だよ」
その言葉に、もう1人の男がまじまじとナギの顔を見つめた。
そして、何か思いついたような顔をした直後、先の男同様、顔から色を無くして後ずさった。
「お、お前、まさか、辰巳凪冴……!?」
しかし、ナギは動揺すらせずにじっと男たちを睨んでいた。
「だったら何だ」
男たちは震えるばかりで何も答えず、やがて視線を私に移すと、さらに青ざめた。
「……ってことは、その女は……桃園姫虎……!?」
「た、辰巳の女だったなんて……!こっ、殺される……!」
そう叫んで、男たちはバタバタと私たちの前から去って行った。
「ナギ、どうしてここに!?」
「なんだか嫌な予感がしてさ……。探してたんだ。とりあえず間に合ってよかったよ」
ナギ、勘が鋭いにしても、鋭すぎるよ……。
「ありがと、ナギ」
「ああ。それより……」
ナギの視線の先には、道路にぐったり座り込んでいる弥生の姿があった。
20話にして、やっとヒメコの本名か明らかに!w
桃園姫虎ちゃんっていいます☆
虎を『こ』って読んで、本名は男っぽいのに、女の子らしいニックネームになってます!
ちょっとしたこだわり( ´ ▽ ` )ノ




