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#18 悪魔になった私(6)
「やめてっ……!」
抵抗すると、手首はそのままで、男の左腕が後ろから私のお腹に回った。
「大丈夫、大丈夫。ちょっとメシに付き合ってほしいだけだから」
「そうそう、今カップルフェアやってる喫茶店あってさ、かなりお得だから、彼女のフリしてほしいんだよね。おごるし」
男の言葉に、もう1人の男も頷く。
「それなら……」
と、弥生が言いかけたため、私はすかさず声を張り上げた。
「断ります!これ以上しつこくするなら人、呼ぶから……!」
「へー、どうやって?」
男の笑いを含んだ声が誰もいない暗い道に響き渡る。
「……っ」
口ごもると、男の手が腰からゆっくりと上にあがって、胸の真下で止まった。
「ひゃっ……」
「気持ちよくなりてーだろ?」
耳元で囁かれて鳥肌が立つ。
手首を掴む腕も私の身体を這う手も揺るがない。
弥生に目を向けると、彼女を抱きすくめている男の手がスカートの中に入り込むところだった。
(もうダメだ……)
ぐっと目を閉じると涙が滲んだ。




