#13 悪魔になった私(1)
とある休日、私は弥生とショッピングに行った。
色んな店を見たり、ゲームセンターに行ったり、私たちは休日を満喫した。
途中で寄ったレストランでは、弥生がナギの話ばかりするからウンザリしたけど……。
「このレストランのハンバーグ、めちゃくちゃ美味しいの!食べてかない?」
という弥生の提案で、私たちはレストランに立ち寄ったのだった。
確かにハンバーグはスゴく美味しかった。
ところが、弥生ときたら口を開けばナギのことばかりで、私が話題を変えても、結局はナギの話に戻してしまう。
「そうだ、私、凪冴くんのメアドかLINE知りたいんだけど、ヒメコ教えて?」
「な、何で……?」
「何でって、凪冴くんと仲良くなりたいからに決まってるじゃん!この前、チラッとヒメコのLINEの友達一覧に凪冴くんの名前あるの見えたしぃ」
(いつの間に!)
たらりと汗を流しながら、私は苦笑いした。
「でも、ナギに許可取らないと」
「じゃあ、今電話して?」
「え、……でも、ナギ忙しいかもだし……」
「許可取るくらい大丈夫だよ。ほら、はやくはやくぅ」
渋々ケータイを取り出すと、弥生はキラキラした笑顔で見つめてきた。
「ここじゃ、電話かけられないから、トイレ行ってくるね」
すると、席を立とうとした私に、
「待って!」
と、弥生が声をかけた。




