表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

ランチタイムに、有名人がいる

作者: WAIai
掲載日:2026/07/22

ランチタイムが始まり、彼女とご飯を食べようとした俺なのだが、彼女が張り切って言ってくる。


「グラウンドに行こう!!」

「え? 何で?」

「有名人が絵を描きに来ているんだって!!」

「そんな話、聞いてないぞ!?」

「いいから行こう」


腕を引っ張られ、俺はご飯を後回しにし、つい行くのだった。


グラウンドに行くと、外は雨を忘れたかのように、灼熱だった。


この暑い中、誰が来ているんだと思い、見てみれば、白い作業着を身に着けた男性がいた。


広げた大きな紙に、ペンキをぶちまけたりしているらしく、所々、色が染まっている。


汗が滴る中、楽しそうだなと感想を持つ。


「私達もやらせてもらおうよ!!」

「え!? 俺ら制服姿だぞ!!」


彼女は足をぴたりと止め、

「あ、そうか。ジャージでくれば良かった!!」

うさぎさんか珍しく舌打ちした。


悪役の憎い顔に見えて、俺は思わず、彼女の頰を引っ張る。


「いひゃい、何?」

「可愛い顔でいろ。分かったか?」

「え…。私、ひどい顔をしてた?」


素直にうなずくと、うさぎはショックを受けたみたいで、スカートのポケットに入れた鏡を出す。


「えっと、えっと、大丈夫」


笑みを確認すると、彼女は俺に言ってくる。


「少し一緒にやらせてもらおうよ。楽しそうだし」

「汚れない程度にな。あんまりひどいと、母親に怒られる」

「分かった」


彼女は積極的で、大きな筆を使っている男性に声をかける。


「あの!! 私達も混ぜてください」

「え? 何? 興味あるの?」

「あります!! 本当に少しでいいので」


彼女が両手を合わせ、頼み込むので、俺も助け舟を出す。


「どうしてもやりたいって聞かないので、お願いいたします」


男性はうーんと唸り、俺達を交互に見ると、

「彼氏と彼女?」

「そうです」

「いいね、若いって」

男性はにやりと笑うと、少年のように見えた。


「いいよ。少しだけなら。そこのペンキを使って」


気軽に言ってきたので、彼女が嬉しそうに跳ねる。


「ペンキ、思いっきり、ぶちまけたいです」

「何? ストレスでもたまっているの?」


笑ってくる顔に嫌味はなく、俺達がどう動くか試しているようだった。


「よーし!!」


彼女は短い袖を捲ると、ペンキの入ったバケツを取る。


「うおりゃあー!!」


思いっきり敷かれた紙に広げる。

まるで波が来たみたいな、そんな足跡。


俺はどうしようか迷ったが、彼女が楽しんでいるのなら、俺も楽しもうと思い、ペンキに手をつける。

それを紙につけ、俺の爪痕を残す。


「ライオンさん、ライオンさん。もっと派手にやろうよ」


彼女はハイになっているらしく、制服が汚れても気にしていないようだった。


俺は冷静になろうとしたが、男性が

「自分を解放しないと」

と忠告してきたので、俺も「よし」と腹をくくったのだった。


「てりゃあー!!」


ペンキをぶちまけると、黄色い羽根ができたような感じだった。


「うわ、楽しい!!」


思わず言うと、男性が腹を抱えて笑う。


「楽しまなきゃ。時間がもったいない」

「はい!」


俺は次はどうしようかなと思っていると、彼女は靴下を脱いで、足跡を取っていた。


月で遊ぶうさぎのように、遠慮しない彼女。

俺も本能でやることにし、ペンキで遊ぶ。


そのうち、皆が集まってきたので、男性は声を張り上げる。


「皆!! 楽しもうぜ!! 好きにしていいよ!!」


わあと声が上がり、皆が紙の上に乗ってくる。


俺と彼女は十分遊んだので、端に移動する。


「ああ、気持ちがいい。すっきりした」

「そうだな。お礼を言おうか」


男性は作業着の白が食われたように、様々な色をしており、俺達は礼を言う。


「ありがとうございました。楽しかったです」

「そう。それは良かった。また遊ぼうね」


手を振られたので、俺と彼女はにこやかに手を振り返す。


「皆、来たから、ご飯を食べに行こうか」

「その前に、うさぎさんの綺麗な足を洗わないと」


冗談めいて言うと、2人は声を立てて笑う。


「また、やろうか」

「おう!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ