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「管狐」はそこらにあった巻物をくるくると取り出すと、

 ユエの指を爪で裂き、出た血と共に日に放り込んだ。


 クロカゲが驚いてユエを羽根の中に庇う。


 刹那、火の中から花が舞い、

 その花と同じすみれ色の髪に、闇夜のような深い色の瞳を持つ、

 ユエよりもうんと小さい少女がはにかむような笑顔で現れた。


 少女は驚いて目を見開いたユエと、

 ぱちっと視線があったと思うや、ぱたぱたと駆け寄ってくる。


「あなたまだ私が見えるのね!嬉しい!私が必ず、守ってあげる!」


 にこにこしながら自分より年下に見える女の子に手を握られ、

 守ると言われたユエは、嬉しいのか気恥しいのか目を開けたり閉めたりを繰り返して視線の行方を探している。


 そんなユエを見兼ねてかクロカゲが、


「おそらく俺たちは戦闘要員だぞ。」


 と少女に耳打ちする。


「そうだったの!その、てっきり……。」


 と、少女はユエの頭のてっぺんから足の先までをまじまじと眺める。


 その視線がくすぐったいのかユエはもぞもぞとしていた。


「私、サチ。よろしくね、主ちゃん。」


 そう言って小さな手を差し出した。

 ユエも、おずおずと手を出しゆっくりその手を握る。


「みなさま!!!」


 柔らかくゆっくりとした時間を遮ったのは怪異のような「管狐」の声だった。


「写真を撮りますよ!──さあ並んで!

 ──そうですそこで気を付け!

 ──いい感じです。」


 カシャッと軽快な音と、ガガガという写真が印刷される音が広い屋敷に数回響く。


 写真に写った3人はなにがなんだか分からず間抜けな顔をしていた。

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