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笑顔の効能

作者: 鈴木数秀

 私は、人の笑顔を見ると癒される。

実際に気持ちが良いし

脳内では幸福物質であるオキシトシンが出ているのであろう。

 男性である私は、やはり女性の笑顔を好む。

スターバックスで女性の店員に素晴らしい笑顔で接客されると随分と得をしたような気分になる。

 私に一番多くの笑顔を向けてくれた人は、昔、付き合っていた年下の女性だ。

私が、彼女の笑顔を褒めると、

和顔施という言葉を教えてくれた。仏教では、何も施し物が無い時に、目の前の人に和やかな笑顔を向けることで布施とすることを和顔施というらしい。彼女は本を読んでそれを知り、親や周りの人に笑顔で接していたのだ。

 彼女を車で家に送ってから帰る時も、私の去り際に手を振って素敵な笑顔を向けてくれた。車を発進させてからも、私は彼女の笑顔をいつまでも見ていたくてバックミラーを覗くが、彼女は真顔になって家に入って行くところだった。私はなんだか残念な気持ちになったものだ。後日、彼女にその事を言うと、

「目の前の人がもういないのだから、そんなの当たり前でしょ」ときっぱり彼女は言った。

 私は彼女に甘え過ぎていたようだ。

 その事が直接の原因ではないが私達の付き合いはやがて終わった。

       ***


私は今でも笑顔に飢えのようなものを感じているのかもしれない。

 では自分はどうなのだろう?私は人に和やかな笑顔を向けているだろうか?自分ではひきつった苦笑いしか出来ていないような気がする。

 でも、年嵩の男性の上司には「時おり見せる笑顔が素敵だね」と褒めてもらった事があるのだ。その時は、照れ臭いながらも嬉しかったのを覚えている。


 ところで、笑顔には、作り笑いと自然にあふれ出る笑顔がある。

作り笑いは、人間社会を形成し、維持して行く上で、嫌々ながらも欠かせないものなのかもしれない。

出来れば、自然な気持ちで笑っていたいと思うのは私だけではないだろう。


 私は子供の頃から自然こそが本当で、人間の作ったものは全て嘘と思ってきた。

 人間が作り上げて来た社会や文明というものは嘘を土台にして成り立っていると思って来たのだ。

 ある意味では、それは真実かもしれない。現在、地球人は、戦争や自らか招いた自然災害で、滅亡の危機にあると言っても良いのではないか。子供達を始め、全ての人々が自然に笑いあえる世の中になってこそ

本当の幸せがやって来るはずだ。

 否、それだけではない。全ての人々が、初めは作り笑いをしてでも歩み寄る。その時に交わす言葉から平和は始まるのだ。


 笑顔の力は想像以上だ。汝、悲観するなかれ。人間に出来ることはまだまだある。これからが勝負だ。(了)



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