2章:吸血鬼:――TYPEⅠ――
まずは生きる上で“死”と言う概念を学ぼう。
古来から、王の課題として不老不死を目指すのが、もはや当然のモノとなっている。
古い中国神話では、人知れず生きる、高い山頂に住んでいる仙人が不老不死の薬を持っている話や、欧米などの吸血鬼伝説などは、最早当たり前の誰もが知っている神話伝説となっている。
しかし、皆様はご存知だろうか?
元来、人間と言う生物はどんなに頑張ろうとも精々120~130歳までしか生きられないのだ。
それは、どんな時代、種族であろうともだ。
元々、人間の細胞の中には自殺因子や発ガン性物質などがあり、そんなに長くまで生きて生ける様にはなっていない。
そして、それらは産まれたばっかりの子供にですら、その身体の細胞の中に含んでいる。
つまりは、人間は産まれてすぐに“死”と言う概念を体の中に孕んでいるのだ。
生と死は表裏一体。
産まれた瞬間から死は決定している。
しかし、我々は常にこれを意識して生きているのだろうか?
答えはNO。
身体の弱い人やご老人は別として、人間としての全盛期の10代~20代の人がこれを意識しているのは、多くて1割弱だろう。
しかも、その人物は特殊なケースが多い。
身近な人が死んだと言う事になるからだ。
家族、親戚、友人、恋人。
それらのケースと親密に関係している。
では、貴方はどうだろうか?
貴方は“死”をどう思っている?―――