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1章:死神:――TYPEⅣ――
「貴方の命を貰うまでは帰れません。ですからここで一緒に生活させてもらいます」
と死神は頬を染めて言った。
「あ、ところでお夕飯はまだですか?」
と死神は方向を強引に曲げた―――わけでも無さそうだ。
さっきから腹をぐきゅるると鳴らしているから。
僕はその行動がかわいらしく見えて、死神の頭を撫でた。
「や、撫でないでください」
と恥ずかしそうに答える姿も、またかわいらしい。
「とりあえず、お茶でもどうぞ」
と僕はポットからお湯を出し、急須からお茶を湯飲みに出して、渡す。
「うー……。あ、どうも」
と死神は頭を抑えながら、湯飲みを受け取った。
「朝も思いましたけど、このお茶おいしいですねぇ」
と死神は笑みをこぼした。
―――まだ僕は動いている。
理由はどうであれ、それで良いと言う事なんだろうか?
死と隣り合わせの生活。
―――少し明日が楽しみになってきた。
――第1章 END――