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僕と死神  作者: 建上煉真
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2章:吸血鬼:――TYPEⅥ――

 僕は教室から下駄箱までの道のりを真っ直ぐ来る。

 別に寄る所も無いし、そもそも、下校時刻が近づいて来てる。

 下駄箱に付くと、既に部活を終えているのか、何人かの生徒が蔓延(はびこ)っていた。

 ふと、そこには、見慣れた後輩が居た。

 その後輩は、僕に気づくと、手を上げ、「あ、先輩ではないか! 今帰りなのか?」と言った。

 その後輩こと、薬袋(みない) 和夜(かずや)は、今時の若者には珍しい、見てる方も気持ちが良い、笑顔をしながら挨拶をしてきた。

 僕はたいして興味なさげに、「ああ」と返した。

 「どうした先輩。微妙に元気が無いぞ?」

 「そりゃぁ、お前に比べればみんな元気が無いくらいに見えるさ、薬袋。ってか、常時元気いっぱいなのはお前くらいだろ?」

 「む、そうでもないぞ、先輩。ボクだって元気が無い時ぐらいあるぞ」

 「ほう…そうなのか? 僕はてっきり、薬袋は常時そんな感じだと思ってた」

 「先輩失礼だぞ? ボクだって、生理の時は不機嫌になったり、辛かったりするぞ?」

 「悪かった薬袋! 謝る! ごめんなさい!! だから女の子がそう軽々しく、生理なんて言わない!!」

 「しかし、先輩。それこそ生理現象なのだから、別に隠したりする事無いと思うぞ? むしろ、隠す方が恥ずかしいぞ?」

 「薬袋…、それはそうだが、しかし、ここでする話でもないと思うんだが…?」

 「だが先輩、この話は先輩が振ったのだぞ?」

 「っく…、そう言えばそうだった……。じゃあ、話し変えようぜ……。そう言えば、薬袋こそ今帰りか?」

 「話を変えるというか、話を戻したな先輩……。ああ。そうだぞ先輩。部活が丁度終わったからな。先輩はどうなのだ?」

 「僕か? 僕は基本的に帰宅部だからな。部活は関係ない」

 「そうなのか? ボクは先輩のことだから、てっきり凄くカッコイイ部活に入ってると思ってたぞ」

 「お前の僕への印象派はカッコイイ部活をやる先輩なのか? 悪いが、僕は僕自身、帰宅部が一番あってると思ってたぞ」

 「む、しかし先輩。落ち込むことは無い。先輩はたとえ帰宅部であろうともカッコイイぞ」

 「痛み入り、マヂでありがとよ。たとえ、それが見え見えの嘘でもな」

 「バレたか」

 「その、ってへ、って顔やめろ! 可愛いと思っちまったじゃねぇか!! ってか、本気じゃなかったのか!!」

 「いや、先輩がカッコイイと思っているのは本当だぞ?」

 「はぁ…。いや…、それこそ嘘臭いけどな……」

 僕は、はぁーと深いため息をつくと、薬袋に言った。

 「まぁいいや……。部活終わったんだろ。だったら一緒に帰ろうぜ」

 「先輩、ボクのために待っててくれるのか? やっぱり先輩は良い人だなっ!」

 「よしてくれ、薬袋。ただ単に帰るときが暇だと思ってるだけだ」

 「ふむ。謙虚な姿勢も流石だ。ぜひ先輩にお供しようっ! …と言いたい所だが、すまない。ちょっと用事があるのだ」

 「ん? 何だ? 片付けでもあるのか?」

 「うむ。ちょっと赤坂先輩からな」

 「ああ。赤坂か。なるなる。分かった。アイツを怒らせると怖いからな」

 「先輩。赤坂先輩を怒らせた事があるのか? ボクはそんなおいそれたこと出来やしないぞ。どんな裏テクを使ったのだ?」

 「裏テクなんてたいそれた物じゃない……あれは本当に偶然だったんだ。偶然で地雷踏んじまった……」

 「ふむ? まぁ、聞かない方が良さそうだから聞かないでおきたい」

 「ああ、懸命な判断だ。おっと、それじゃあまたな。事故には気を付けろよ」

 「ああ。先輩こそ車には気をつけて」

 お互いに手を軽く振って、僕は校舎から外に、薬袋は校舎内にそれぞれ分かれた。

 この時は完全に芹沢のことや大河内先生の事なんか頭から消えていた。今日の晩御飯を何にしようかぐらいしか考えていなかった。

 だから美術室から強烈な殺意にも似た視線を感じても、ちょっと振り返っただけで、特に何も感じなかった。

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