1章:死神:――TYPEⅠ――
朝起きたら枕元に死神がいた。
今日は何日だっただろうか?
そうだ、9月20日月曜日。
時計を見る。6:45。
時間が無い。急いで学校を行かなくては。
「ちょ、ちょっと!! 私を無視しないで!!」
と寝ている僕を上からある人物が覗き込んで、怒鳴った。
その人物は少女で、白い髪に黒い服、巨大な鎌を片手に持ち、傍らには黒猫がいた。
……まぁ、世間一般でよく聞く『死神』の格好だった。
しかし、おかしい。
世間一般的の『死神』と言ったって、そんなものはオカルトだ。
他人に話したら鼻で笑われるような、そんな存在。
「ちょっと。だから無視しないで!! お願いだから」
死神は未だに怒鳴っていた。
僕はゆるりと立ち上がり、キッチンへ。
「あ、あの? ちょっと?」
と言う声が聞こえるが気にしない。
僕はポットからお湯を出し、急須からお茶を湯飲みに入れる。
「とりあえずお茶でもどうぞ」
と死神に湯飲みを渡す。
「あ、どうも」
と死神は湯飲みを受け取った。
死神がお茶を飲んでいる隙に早々と着替える。
早くしないと学校に遅れる。
5分もしないうちに着替え終わった。
カバンを持ち、玄関から家を出る。
「じゃ、僕は学校へ行くんで、カギはポストに入れといてください」
玄関を出る。
後ろから、『え? あ、あの? ちょっと?』と聞こえたが気にせずに走る。
さらに、ガシャンと言う何かが落ちた音。
気にしない。