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あーかい部! 73話 格の違い

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。



3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!


趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!

同じく1年、青野あさぎ!


面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!


独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河(しろひさすみか)



そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

池図女学院部室棟、あーかい部部室


……ではなく体育倉庫。




「うへぇ……なんで、このきはだ様が、こんな屈辱……!」


「悪いわね鶸田(ひわだ)さん。成り行きとはいえ、手伝わせちゃって。」


「白ちゃんわたしはぁ……!?」


「いえ、きはださんのお力になれるなら♪」


「ねえねえなんでわたしも手伝わされてるのぉ……?」




きはだ、白ちゃん、みどり先輩の3人は体育倉庫の備品を整理していた。




「鶸田さんに押しつける気?」


「人の良心に漬け込むとは卑劣な……いつか白ちゃんを呪ってやるぅ……。」


「あの、辛ければ部室に戻って頂いても……、」


「白ちゃんに貸しを作るからいぃ……んしょ、ありがとぉ。」


「ねえ、鶸田さん。」


「はい?」


「どうしてきはだちゃんにそこまで恩義?的なのを感じてるの?」


「きはださんは私のキューピッドになってくださっているんです……!」


「キューピッド?」


「まあまあいいじゃないか白ちゃんや。次、ハードルの確認だよぉ?」


「え、ええ……。あんまりいいように使われないでね?」


「大丈夫です、きはださんはそんなことしませんから♪」


「きはだちゃん、宗教でも始めたの……?」


「きはだちゃんは神とか信じないよぉ?」


「それもそうね。」




3人がしばらく体育倉庫の備品整理をしていると、




「この跳び箱、だいぶ傷んでますね。」


「私なんかよりも大先輩だからねぇ、この子。」


「ねえねえ、先輩といえばさあ?白ちゃんとみどり先輩は同期ってことだよねぇ。」


「同期?私は2年生ですが……、


「私も池図女学院は2年目ね。」


「じゃあ対等ってことでいいんじゃない?」


「い、いえ!?いくらきはださんのおっしゃることでも白久(しろひさ)先生は年上ですので……!?」


「じゃあもっと丁寧な表現でもう一度。」


「えっと、白久先生はお年を召しておりますので




きはだの脳天に衝撃が走った。




「いったぁぁ……、なんでわたしが


「鶸田さんの純粋さに漬け込んで変なこと言わさないの!」


「……じゃあ、もっと砕けていいんだねぇ?」


「え?そりゃ、ダメとは言わないけど……、


「わたしだけタメでみどり先輩だけ敬語使えなんて言わないよねぇ?」


「それもそうね。鶸田さん、もっと砕けた言葉でもいいわよ?」


「えっ……、」


「みどり先輩、白久先生はタメ語をご所望であるぞ。目いっぱい砕けるが良い……。」.


「は、はい……!」


「なんなのそのノリ……。」


「お、お……、」


「鶸田さん、無理に合わせなくてもいいの


「おいっ、白久……!」


「ブフッ……!www」


「 」


「にゃーーっはっはっは!これで格付け完了……!みどり先輩の中で、白ちゃんはきはだちゃんより格下




きはだの頭に再び衝撃が走った。




「酷い……。」


「どぉ〜せ、んなこったろうと思ったわよ。」


「あの……じゃなくて、なあ、白久。」


「鶸田さんも楽にしてくれていいからね?」


「あ、はい。」


「無念……。」


「はいはい、再開しましょ。」




3人は再び備品の整理に戻り、作業を終わらせると部室へと戻って行った。






あーかい部部室。




「終わったぁ……もうダメ溶ける……。」


「大袈裟なのよ。」


「人使い荒いよねぇ、みどり先輩?」


「え……まあ、ちょっと?」


「……と仰っているぞ白ちゃん。」


「なんで私に振るのよ!?……でもありがとね、鶸田さん。」


「いえいえ、きはださんのお役に立てるならこれくらい♪」


「『白ちゃんの』って言わないあたり、見込みあるねぇみどり先輩。やはりあーかい部の素養がある……!」


「え……?」


「ねえねえ白ちゃん、みどり先輩あーかい部に入れていい?」


「こーら、あんまり無理言って困らせないの!」


「ちゃんと面倒みるから〜、」


「ペットかっ!」


「ごめんねみどり先輩、うちじゃあ飼えないや……。」


「飼うな。」


「あの、そもそも私じゃあ、あーかい部のみなさんには釣り合いませんから……。」


「「釣り合わない?」」


「あーかい部って、部活ごとの平均成績トップじゃないですか。」


「言われてみればそうだねえ。」


「ほんっと信じられないわ……。」


「なので、もっと強くなってから入部します……!」


「そんなの気にしなくても良いのに。」


「平均点下がったら白ちゃんのお城が揺らぐぞ……?」


「きはだちゃんはみどり先輩をどうしたいのよ……。」


「うむ、強くなれみどり先輩よ……!わたし達は高みで待っているぞ……。」


「はいっ!」


「ではみどり先輩、2年後に!シャボ○ディ諸島で!!」


「2年経ったら卒業してるわっ!」


「……。」


「してね……?」






あーかい部!(4)




きはだ:投稿完了……っ!


あさぎ:今日何したの?


白ちゃん:きはだちゃんと鶸田さんに体育倉庫の備品整理をしてもらってたわ


ひいろ:みどり先輩をパシったのか……!?


きはだ:いかにも……!


ひいろ:おのれ白ちゃん!


白ちゃん:なんで私に飛んでくるのよ


あさぎ:可哀想なみどり先輩……


白ちゃん:まあ、ちょっとかわいそうだったけどね


ひいろ:っていうか白ちゃん、みどり先輩と会ったのか……?


白ちゃん:会ったわよ?


あさぎ:そういえば初対面?


きはだ:初対面の人間を顎で使うなんてとんでもねえぜ白ちゃん


白ちゃん:風評被害よ


ひいろ:どうだった?


白ちゃん:どうって


あさぎ:すけこましたくなりました?


ひいろ:なったのか……!?


白ちゃん:ならないわよ


ひいろ:そうか


きはだ:その時は我々が全力で阻止するよぉ?


あさぎ:横槍ダメ、絶対……!


白ちゃん:はいはい






にゃんこの家(4)




きはだ:投稿完了!


ひいろ:ここでも報告するのか


モーラ:へぇ〜なになに?ここで話すってことは、みどりちゃんのことだなあ?


きはだ:勘がいいねぇモーラさん


みどり:私、何かやっちゃいました……!?


ひいろ:みどり先輩は良いことしかしてないぞ


モーラ:ねえひいろ、みどりちゃん偉い?


ひいろ:なんでモーラさんが聞くんだ?


きはだ:みどり先輩偉い?


ひいろ:なんだきはだまで


みどり:わ、私も……偉い、ですか?


ひいろ:みどり先輩まで……

ひいろ:偉いんじゃないか?


モーラ:ダメだよひいろ、もっとちゃんと褒めてあげないと


みどり:そんな、偶然居合わせただけですし


ひいろ:みどり先輩は優しいんだな


きはだ:ひゅぅぅう♪

モーラ:〜♪


ひいろ:おいそこ2人

ひいろ:みどり先輩、気分を害したら済まない




きはだ:みどり先輩帰ってこないね


モーラ:あ〜あ、みどりちゃんの機嫌損ねちゃった


ひいろ:そうなのか……!?


きはだ:これはもうアレだね、謝罪電話だね


モーラ:だね




きはだ:本当に電話してるのか


モーラ:2人の既読つかないね


きはだ:2人の未来に、chairs


モーラ:chairs

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