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オールテイマー  作者: 下海


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3/3

第三話「魔法行使と誕生日」

ブックマーク数件着いてからずっと作品のこと考えてました。

書きたい展開が何個か思いついたので更新頑張るかも(まぁ書きたい展開まで行くのに何話かかるんですかっていう話なんですけどね。)


後、赤ちゃんの歩いたり、喋ったりに関しての描写についてですが一応軽く調べてはいますが、そこまできちんと調べているわけではないのでご理解お願いします。

 ハイハイができるようになってからさらに半年。ついに、ついに俺は歩けるようになった!とはいってもまだ何かにつかまったりしなければいけないのだが。しかしこれは一人で移動できなかった半年前と比べるとかなりの進歩であるといえるだろう。最近では何の目的もないのに家の中をただ歩き回ってしてしまうくらいだ。


 そして家の中を歩き回っているとカイルの部屋から本が見つかった。本のタイトルは初心者用魔導書と書いてあるじゃないか!農家のカイルの部屋になぜこんなものが置いてあるのかは疑問だが、魔法が存在する異世界に来たからにはずっと魔法を意識していたのだ。


 この本はどうやら基本魔法の初級魔法と魔法の歴史や知識がまとめられている本らしい。正直今すぐにでも魔法を使いたかったのだがこういう時こそ慎重にだ。きちんと内容を読み進めてから使うことにした。それからは二人が畑仕事に出るときなど見つからない時間を見つけては本を読んでいた。

 

 なんでもこの本によると魔法には火、水、風、土の四種類の基本魔法、そしてそれらを組み合わせた複合魔法、回復や強化などを行う補助魔法、そしてその他の特殊魔法、さらにその種のみが使うことのできる固有魔法などの種類があるらしい。

 他にも魔法の使い方には呪文を唱える方法と無詠唱で使用する二種類の方法があるらしい。それぞれに良い点悪い点があって使い分けるのが重要なのだとか。


 魔法に関する知識はこんなもので後は魔法の歴史に関する記述だらけだった。そういったものにも興味はあるが、今はとにかく魔法を試したい。俺は基礎魔法の四つの中から風魔法の初級を使うことにした。風にした理由は簡単だ。火や水の魔法を使うと木製のこの家だと大惨事になりかねないし、土の魔法は後処理がめんどくさそうだからだ。風なら何の被害も出なさそうだし、何かあってもシータとカイルもあまり不思議に思わないだろう。


 俺は軽く息を吸い込み、集中力を高め


 風の神よ、我が手を介してその力の一部をこの世に顕現させよ! ウィンド!


 初級風魔法を心の中で詠唱した。その瞬間、俺の手を介してほんの少しの風が吹いた。


 え?こんなもん?弱すぎないか?いくら俺が赤ん坊だからって弱すぎるだろ!今の風じゃ埃も飛ばせねーぞ!転生者だから膨大な魔力を持ってるとかないのかよ?


 正直この結果にはかなり落ち込んだ。魔眼をもらったりしている時点でかなりありがたいのだが俺が前世で読んでいた小説ではこういう時ものすごいことが起きて大惨事になるものなのだが。いや大惨事にならないために風魔法を選んだんだけどね、それにしても弱すぎるだろう。


 しかし、こんなことでへこたれていてはだめだ。何事も継続が大事。これからも隙を見つけては魔法を使っていくことにしよう。そうしたらいつかは魔法の威力も上がってくるだろう。


 こうして俺の初めての魔法行使は散々な結果に終わった。


 それから数日後。俺のこの世界での初めての誕生日が来た。目の前の食卓にはかなり豪勢な料理が並んでいた。しかし、俺はまだ一歳なのでほとんどが二人で食べるようだろう。先ほども二人で一緒に料理を作っていたがかなり楽しそうだったな。そんなことを考えていると、二人が俺を挟んで席に着き小さな掛け声とともに


「「フリード、初めてのお誕生日おめでとう!!!」」


 と二人が俺の誕生日を祝ってくれた。家族に祝われるのなんて前世から含めても久しぶりなのでかなり嬉しい。俺は前世では早くに両親を亡くし、祖父母が引き取ってくれたのだがその祖父母も俺が小学校を卒業するころには亡くなった。それからは施設に入り育ててもらっていたため、家族に誕生日を祝われるというのは十数年ぶりのことだ。

 

 正直なところ、シータとカイルが俺の両親ということをまだ受け入れ切れてはいないが、それでもこの二人が俺のことをちゃんと愛してくれているのは普段の二人の接し方から十分にわかる。俺も何とかして二人の気持ちに応えたいものなのだが


「ィタ、シィタ、ァイル、カイル」


 俺はまだきちんと発音することのできないのどを使ってこの世界の両親二人の名前を呼んだ。その瞬間二人の目には一杯の涙がたまり、俺に抱き着いてきた。


「フリード!生まれてきてくれてありがとう!愛してるわ」

「フリード…ありがとうなぁ…」


 泣いた二人に抱き着かれて俺の目にも涙が浮かんできた。


 あぁ、やっぱり俺はこんなにも愛されているんだな。いつかこの二人に対して父さん、母さんと呼べるようになったらいいな。


 そんなことを思いながら俺のこの世界での初めての誕生日は終わった。前世の両親のことを少し思い出したせいか、少し寂しい気持ちになりながらも結局は二人の温もりに包まれ少し痛い気持ちと共に思い出となった。





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