学校という場所が嫌いだ
学校という場所が好きではなかった。
気が張る場所。
息の詰まる場所。
やっと卒業できたときには清々した。
これで縁が切れる、そう思った。
大人になり、大人になっても学校とは縁が切れないのだと知った。
送られてきた入場券の葉書には、学校の体育館が投票所として指定されていた。
行きたくなかったので、役場まで車で出向き、期日前投票を済ませた。
結婚した。
子が出来た。
子が成長した。
嫌々ながら、校門をくぐる。
最近は夫婦揃って授業参観する家庭が多いらしい。
入学式や運動会、発表会などは言わずもがなだ。
黒板の前に数名で立ち、グループ発表する我が子の成長を微笑ましく思った。
そして、早くこの教室、この学校という敷地から立ち去りたくて仕方がない、成長しない自分を苦々しく思った。




