1.海風にそよぐ花と 月の歌声
花の乙女フローレンは、船の欄干に前かがみになって両肘をついたまま、ずっと海を眺めていた。
均等の取れた目鼻立ちには、どこか可憐な色と香りがある。
陽光を浴び優雅にきらめく薄い紅金色の髪。
後方で束ね、仔馬の尾状に流している。
その薄紅に柔らかに輝く髪が、時折優しい海風に撫でられて優雅に揺れている。
そしてその輝く薄紅の園の上には、華やかな真紅のバラが、若草色の髪留の上に咲いている。
花 はそこだけではない。
女の子特有の二つのふっくらとした丸み。フローレンのそれは、かなり大きい方だろう。
同じ年頃の女の子の標準より二段階上、といったところか。できあがる谷間もかなり大きい。
その彼女のまるいふくらみを支えているのは、無数の赤い花びらだった。
どういう訳か、花びらは規則正しく並んで重なり合い、乳当てを形成しているのだ。
その形状は、鱗片鎧と呼ばれる鎧の、金属片の並びにも似ている。
が、それはどう見ても花びらであり、そよぐ風を受け、微かにやわらかく揺らめく。
花びらの乳当てを支えるヒモの部分は、絡みあった細い蔦草。
それはどう見ても生きたツタであり、色合いも若々しく、しかもところどころに小さな若草が芽吹いている。
そして彼女が上半身に着けているのは、その花びらの乳当てだけだった。
そこから下に向かっては、しばらく何もまとわない。
やや色白な素肌は、細く健康的な腰のラインを描き、
挑発的にくびれたそのさらに下で、肉付きは横と後ろに大きく広がってゆく。
その腰の細い部分の少し下、腰回りを一周するように巻かれた蔦草、
そこに無数の花びらが、今度は縦長な逆三角の形状でその蔦草の細いベルトからぶら下がり、風に揺らめいていた。
その細い逆三角形の花びらの並びが、前側はその乙女の秘密的な部分が見えそうで見えないくらいに隠し、後ろ側は女のやわらかな下半身の丸みを、その肉のわずか半分程度を覆い隠すように垂らされている。
だが彼女がこんな変則ビキニスタイルの、裸に近いような格好をしているのは、ここが海だから、という感じでもなかった。
かなり肌の露出部分の多い妖艶な格好をしてるが、この娘フローレンはそんな中にもどこか清楚な雰囲気に包まれている。
花と蔓草だけを纏った花の妖精のような乙女は、
目を閉じたまま、ただ風に身を任せながら、流れてくる歌に聞き入っている…。
絶世の歌声。
澄み渡った月夜のような、透き通った歌声が響き渡る。
月の歌姫アルテミシアは、船の帆柱の横木に腰掛けたまま、曲を奏でていた。
三日月に似た形をした、琴に分類されるであろう楽器、
その綺麗に並んだ弦の上に、幻想めいた動きで、その細い指を躍らせる。
年の頃はまだ乙女と呼べるか、あるいはそれを少し過ぎたくらいか。
だが、軽く目を閉じて歌を紡いでいるその表情は、見る者の心をくすぐる大人の女の色と艶を覚えさせる。
その上、彼女の髪にまた、特有の美しさがあった。
腰まで伸びた銀色の、真っ直ぐな長い髪。
それだけでも美しいが、その銀色の髪は太陽の光を浴びて、輝く月色の、神秘的な光を返している。
アルテミシアが着けているのは単一のボディスーツ。
彼女自身が「月影色」と呼ぶ、夜空の色をしたその衣装。
黒っぽい生地が、受けた光の角度によって黒~深い青~紫の薄い輝きを奏でる、
天鵞絨を思わせる素材の、それがアルテミシの言う「月影色」
肩は完全に露出、胸の上部も露出させているビスチェ形状になっていて、
平均よりワンランク大きいくらいの豊かな胸を、上から三分目くらいまで見せつけている。
薄い布地はそのまま胸下から細い腰までをぴっちり覆い、腰の高さで横の布地に切れ込みが入っている。
いわゆるハイレグカットのレオタード衣装。
前は細く鋭くなって鼠径部に食い込んでいるので、この無防備さは異性の視線を惹くことだろう。
そして後ろ側も、細腰のわりに同年代女性と比べてちょっと大きめなアルテミシアの魅惑の下半身を包み切るには充分ではなく、
その布面積では、後ろから見た女の魅力的な部分が大きく露出する事になる。
アルテミシアは神秘的な雰囲気に包まれている。
月色の長い髪、麗しい顔立ち、艶っぽい身体の線、その外見の美しさもさることながら、
その歌を紡ぐ澄み渡る声には、至高の美しさがある。
竪琴の音と、透き通る歌声。
遥かに澄み渡る空と、どこまでも青いこの海。
その果てまでも響いて行きそうな強さも感じさせる、それでいて柔らかな音色。
アルテミシアが「月琴」と呼ぶこの弦楽器は、非常に高度な魔法道具、世界に二つとない、魔法定義では「唯一品」と呼ばれるものである。
高い音楽の造詣と、魔法学問の知識、そこにこの伝説級魔法楽器が組み合われば、
実際に弦から発せられる単音以上の、いくつもの重なった音色をあふれ響かせている。
魅惑の歌姫、なのだが、アルテミシアは高位の魔道士でもあるのだ。
そして、魔法の込められたような透き通る月色の歌声が、耳慣れぬ、神秘的な響きの言語の歌を紡ぐ。
これは、異国の言葉だろうか…?
それとも、遥かな時代を越えた響き…?
でも、意味なんてわからなくてもいい…。
物憂げな旋律は、それだけで心の哀愁を呼び覚まし、何とも言えない切ない気持ちにさせるのだから。
そしてこの「月琴」の音色に重ねれば、歌声は風に乗って広がり響き渡る。
それこそ、広い音楽堂で観客全員に歌を届け聞かせる事もできるような。
だからこの小さな船に乗っている全員に、この曲が届いているだろう。
そして、この月の音色に聞き入っている事だろう。
やがて、曲が止む。
そして湧き上がる拍手と喝采。
アルテミシアには慣れた光景だった。
いつもと違うのは、ここでは歌の報酬にお金や贈り物を受け取る事はないだろう、という事だ。
なぜなら、この船は軍船なのだ。
そして乗っている兵士は全員が女性、しかもかなり若い、乙女たちだった。
しかも兵士とは思えないほど、肌を多く晒した格好をしている。
一曲終えた歌姫は、そっと帆柱から飛び降り、花の乙女の隣に降り立った。
飛び降り、というよりは、ふわり、とゆっくり降りてきた感じである。
「おつかれっ!」
花の乙女は親友を迎えるように向き直り、欄干に背を預けるようにもたれた。
「なんだか…いつにも増して、深く入ってくる感じの響きだったわよ」
歌曲に心を委ねていたフローレン、その声にも表情にも、少し高揚した感じが残っている。
「でしょ♪」
というアルテミシアの声にも高揚感があった。
その頭にはいつの間にか、つばの広い三角帽が乗っかっている。
と、肩掛けの短いケープも、ボディスーツと同じ夜空色のもの、が肩に掛かっていた。
「魔女」と呼べる、一般的な魔法を用いる女性の装いである。
アルテミシアの衣装の場合、独特な特徴として帽子にもケープにも、無数の月型の宝石飾りがぶら下がり、ゆらゆら揺れている。
「この壮大な景色が…そうさせるのよね…♪」
月色の瞳が、海原を遠く見つめた。
「終わりのない、海と、空…いいわね~♪ ん~~この開放感~~♪」
アルテミシアの口調には普段から、どこか歌の旋律♪を感じさせる、そんな独特の響きがある。
花と月の二人は、歌の余韻に浸るように、風に身を任せていた。
やさしい風が、二人の長い髪を、そっとさらって揺らめかせている。
先程の歌曲の、どこかまだその神秘的な空気の中にいるような、そんな雰囲気がある。
「あの…」
近くにいた数人の女兵士たちがやってきた。
兵士とはいえ全員、女性らしい身体のラインを浮き上がらせ、豊満な部分の肉を多少露出する衣装で、それでいてみんな揃って長い髪をなびかせている。
何人もが同じ格好をしているから制服であると認識できるが、普通に見れば兵士には見えないであろう。
「ありがとうございます! いい歌でした~」
「戦いの前に、気分が上がっちゃいます~」
「わたしたち、歌が大好きなんですよ~」
「すごいです! あんなキレイに歌えるなんて~」
「ですです! 歌ってる横顔も、すっごく魅力的で…」
入れ代わり立ち代わり、口々に先程のの歌曲を讃えている。
気分を高揚させた女兵士たちは、年相応の乙女っぽさを見せている。
兵士と知らなければ、水遊びに来た普通の女の子の集まりにしか見えないくらいだ。
「あなたたちは海歌族の末裔でしょ。だから歌が好きなのよね♪」
「「「「そうなんですよ~」」」」
アルテミシアの問いかけに、乙女たちの嬉しそうな声が重なった。
海歌族というのは海の妖精で、人魚族とも呼ばれる。
歌声が美しく、時にはその歌で船を沈めてしまう、と言われている。
実際にこの女兵士たちの所属するショコール王国の民は、人魚族の末裔として知られている。
だから彼女たちは、歌には関心が強いみたいだ。
「もう一曲? まあいいけれど、それはまた後でね♪
まずは今日の戦いに勝って、全員生き残って終わらせなきゃ♪」
少し歳下の、妹のような子たちを諭すように、アルテミシアは語りかけた。
「「は~~い!」」
「頑張りま~す!」
今日これから戦いになるというのに、女兵士たちからはあまり緊迫感が漂ってこない。
今日の戦いは、あまり激しい戦いになる感じではない事を知っているからだろうか。
「でもみんな、楽な相手でも、油断しちゃダメよ#」
指を立てて、ちょっと強い#な口調で注意を促す。
それを聞いた女の子たちは、一様に緊張の表情に変わった。
口々に「はい!」「了解です!」「気をつけます!」など言って、
兵士らしく敬礼の構えを取っている子もいる。
こういうところはさすがに、女の子とは言え訓練された兵士なのだろう。
女兵士たちは去りながら、歌の余韻を引き摺るように、楽しそうに会話を弾ませている。
「人魚は歌声で、オトコたちを聞き惚れさせちゃうのよね~」
「それで船乗りたちは船を操るのも忘れて座礁させちゃうのよねぇ」
「でもね、座礁させちゃった船乗りたちをちゃんと助けてあげるのよ」
「そして、水の中でも息が続くように、キスをしてぇ…」
「海の都に連れて行って接待してあげるんだって~」
「そうやってセッタイされて、たくさんの人魚たちが子を産むってわけねぇ」
「その子たちが、今のあたしたち、ショコールっていう国を作り上げたんでしょ」
「いいなぁ…せったい! せったい!」
「したじゃん? このあいだ」
「またやりたいな~今日はデキるのかなぁ~」
「え~! 今日のはダメなんだよぉ~」
「んな決まり、守ってる子いないって!」
「そうそう! いつやられるかわからないのに、楽しまずにいられるかって!」
途中からよくわからない話題になってるけれど、まあそれも年頃の乙女トークという感じだ。
これくらい楽観的でないと若い女の子に兵士なんてやってられない、のかもしれない。
この大陸にある他の国と違って、ショコールの兵士は全員が女性だという。
それもフローレンやアルテミシアより少し下くらいの、若い女の子が兵士になる。
海歌族に限らず、妖精の血を強く引く民族は、女子のほうが多く生まれる傾向にあるのだ。
だから少ない男子を兵士にする訳にはいかず、古来より兵役は女子たちの役割になっている。
しかも閉鎖的な民族性からなのか、他の国から男性の移民を受け入れる事にも、拒否的な国である。
その女兵士たちが身につけているのは身体に密着した青紺色のボディスーツだけだった。
アルテミシアの衣装と似ていて、少し違うのは肩から吊り下げている感じの形状になっているところだ。
胸元は大きく開いて女性特有の谷間が見えているし、下もかなり細めになり前は鋭く食込む感じで
後ろの布地も縦長形状で股下に食込むため、その形状だと大幅にそこの豊かな肉が両側にはみ出す事になる。
海の上なのでそのまま泳げるような衣装である事は違いない。
だが、それは兵装と呼ぶには少し…いや、かなり無防備である。
「大丈夫なの? あの子たち…あんな格好で兵士だなんて…」
その女兵士たちの後ろ姿を見送りながら、フローレンはアルテミシアに問いかけた。
そう言ったフローレンの格好も、魔法抜きにした常識で考えれば、とても戦いに出る格好ではないのだが…。
「どっちの事? 防御力?♪」
「もちろん。…って言うか、どっち、って何!?」
「攻撃を受ける露出度と、視線を受ける露出度の事だけど?♪」
それを素でわかってなさそうなのがフローレンだ。
「?」と言った感じに、怪訝な表情をした。
そんなニブいところがあるちょっと年下の親友の可愛らしい面を、アルテミシアはクスクスと小さく笑う。
「んー、じゃあ戦闘前に調べとこうか♪」
ちょうど仲の良さそうに話をしながら、ふたりの女兵士がこちらに歩いてきた。
流れる水のような薄青ストレートヘアの美人系の子と、ふわっと青緑髪のおっとりした感じの子だ。
「ちょっとゴメンね♪」
女兵士の衣装に軽く触れてみる。
「解析開始♪」
二人の女兵士は足を止め、きょとんとしている。
兵士ではあるがその表情はふつうに年頃の女の子だ。
「この子たちのも論理魔法装備、ね…ほぼ最下級のランクのだけど♪」
論理魔法装備のような魔法技術は古代ヴェルサリア王国で発展し、そして王国の崩壊と共にその大元が失われたとされている。
が、各地にその魔法技術の一部だけだが、伝えられ残されたりもしている。
ショコールの女兵士たちのこの鎧ともつかないような衣装も、その残された数少ない技術により作成される物のようだ。
「素材は…水草…どうやらスクミイーズ草の繊維みたいね。海中で育つ植物で加工すれば衣類に使われる素材、多少は丈夫な布系素材ってとこね♪」
付与された魔法の論理構造は…
通常の物理耐性、+1相当…まあ最小限のランクね。
魔法装備って言っても、通常の男性兵士の装備よりも装甲性能ははるかに弱いわよ。
でも論理魔法の防御有効範囲は装備者の全身に及ぶから、その点では勝ってるかしら♪」
論理魔法装備とは、論理的な魔法の文言が付与された装備の事である。
女子の身体を流れる魔奈の循環に反応し、防御機能を増幅させる構造となっている。
論理魔法装備は、基本的に男性には適応しないものとされている。
この世界の常識として、男性は身体能力に優れる代わりに後天的な魔法の素養が低く、
逆に女性は体格や筋力が発達しにくい反面、魔法に馴染みやすい存在であるとされる。
特に妙齢の女子は、全員が魔法使い予備軍と言われるくらいだ。
魔奈という、一般に魔法と呼ばれる力の流れを利用するためだ。
そして一般的には、肌の露出面積を多くしたほうが、魔奈の循環効率が高くなるのだ。
装甲の防御性能と、どちらを選ぶか、といったところがある。
当然のことだが、通常の防具の守れる場所は、装備している場所のみである。
ところが、その魔法的防御や付与効果で全身を守れるのが、論理魔法装備の利点である。
「1点未満のダメージ無効」という論理魔法独自の文言が基本項目として記載されているため、
小さな傷はほぼ無効化できるのが、最大の利点と言える。
草で肌を切ったり、害虫に刺されたりといった、微小な怪我なら無効化できるのだ。
もちろん、フローレンの花びら鎧、アルテミシアの月光糸ボディスーツも、論理魔法装備である。
しかも女兵士たちが身につけているような汎用品ではなく、伝説級の唯一品、即ち高度な論理魔法装備であり、防御やその他の機能は、比べ物にならないくらいに高い。
「あとは…、流動加護…攻撃をそらす力が働くんだけど、まあ最低ランクだから微々たるものね。…矢なんかを僅かに逸らせる感じかな♪
と、対水流圧軽減…泳ぎやすくなったり、水中でも若干戦いやすくなるのね。
と、冷熱耐性…まあこれも最低ランクだけど…水中に長くいても体力を消耗しにくくなるようね。
と、日光軽減…? ああ、日焼けしないため、かな…?」
そう講釈を述べるアルテミシアの目が、ふたりの女兵士の目と合った。
「ショコールって色白な子多いもの。人魚族の末裔だからね♪」
そうです、といった感じに二人の女兵士が頷いている。
褒められたと受け取ったのか、それとも先の歌の余韻からか、なんだかこの二人も少し嬉しそうにしている。
兵士なのに素朴で優しそうな、感じの良い子たちだった。
そんな話をしていると、突如、招集を告げる声が船上に響いた。
二人の女の子の瞳が固く鋭く、兵士のそれに変わった。
フローレンとアルテミシアに敬礼をして小走りに去っていった。
「いよいよ、かな」
「目標の島が見えてきたみたいね♪」
中央部の甲板に女兵士たちが整列していた。
紺色のボディスーツの上から、見た感じ革製のような白い兜と胸当てを身につけている。
加えて盾まで手にすると、一気に兵士らしくなった。
先程楽しそうに話していた子たちも全員、すっかり兵士の面持ちになっていた。
五十人近くが姿勢よく整列している姿は、立派に一つの部隊だった。
髪を軽く束ねている子もいるが、流しっぱなしの子もいる。髪型は自由らしく、このあたりは兵士と言えど女の子らしい。
「あら、メルクリウ」
その人物は、音もなく二人の背後にいた。
気配に気づいたフローレンが声をかける。
メルクリウ将軍は女兵士たちと違って一人だけ、流れる水を模したような帯の集合体のような衣装を纏っている。
というより、それは帯ではなく、実際に流れる水でできているように見える。
「そろそろ、上陸する」
フローレンやアルテミシアの旧友であり、この船を指揮する女将軍メルクリウは、一言そう告げると、居並ぶ兵士たちのほうへ向かっていった。
「相変わらず無口ねぇ…♭」
「まあ、変わらないよね…一緒に冒険してた頃と」
いつも目を閉じている、表情も口数も少ない女子。
だが、あれでいてメルクリウは策略に富んでいる。
かなり深いところまで考え、周到に計画し、周囲を動かしていく。
いわゆる智謀の士である。
そして、最後にはいつも仲間思いだった。
淡々として無表情で、けっしてその優しさを表には出さないが。
この船に乗った時 既に、今日の戦闘作戦の説明は受けていた。
そして普通なら、そこから旧交を温め、昔を懐かしんで、冒険時代の話をしたりして一緒に過ごしたりするものだが…
この無口というより万事無関心な印象のある女将軍とは、そういう関わりは一切なかった。
長い髪と、丸みの目立つ身体の線 女兵団の整列する後ろ姿。
男性が見るとある意味絶景とも言えそうな景色だ。
「さ、わたし達も、気合い入れて行こうか」
「一人も死なせたくないものね♪」
可愛らしい女兵士たちの姿を眺めながら、フローレンとアルテミシアも、戦いに向けて気を高めてゆく。