136.竜の妖精族と謎スィーツ
光の丘ルミナリスの村の中央広場
妖精力の観察に夢中で、いつのまにかスィーツを食べ終わったアルテミシアに…
光妖精である事が判明したアーシャが、お皿いっぱいのクッキーを運んできた。
ちゃんと師匠の皿具合を見て、次のを持ってくる… 気の利く弟子なのだ。
三つ編みの金髪を左右に揺らしながら、ついでに小柄な身体に似合わない歳の割に大きすぎるお胸もゆらしながら…
クッキーをこぼさないように小走りに運んでくる…
途中で一回よろけて転びそうになりながら、何とか立て直しつつ…
尊敬する魔法の師匠にスィーツを届けて一安心。
で、ついでに帰り道…
油断して、すてーん!と転んでしまうところまでがお約束…
(このナッツは… ヒマワリの種、ね♪ これもこの村の、かな♪)
まだ見てない村の裏側にでも、ヒマワリ畑があるのだろう。
これまで頂いたスィーツからも、お日様に関連のある、日差しの強さを利用した作物が多く育てられているのがわかる。
アルテミシアは向日葵種の乗ったクッキーを自然体でお口に運ぶ作業を繰り返しつつ、花月女子たちの観察に余念がない。
カフェ馬車のカンターでは、ファリスの侍女のルドラも、花月兵団に混じって仕込みを手伝っていた。
「やることがないから何か手伝わせて下さい」と言っていたけれど、メイド姿が伊達じゃないくらい、料理なんかも好きで得意なようだ。
炎竜族の陽陰キャラコンビの、ルベラとコーラーも一緒になって手伝っている。
炎竜族の子たちは、ここにいないガーネッタとネリアンを含め、四人ともけっこう料理とかできる… 彼女たちの姉御レイリアとは大違い、家庭的女子たちだ。
炎竜族などの、竜の名を冠する妖精族は、最強の種族である「竜」の関わりが強いとされる。
偉大な九大竜王の眷属であるとか、竜と同じ力の流れの影響を受けた種族だとか、色々な学説があり定かではないが、竜に関係するのは確からしい。
海歌族が水妖精から、空歌族が風妖精から派生した説があるように…
炎竜族も火妖精から派生した、という説も根強い… なにしろ古代には火妖精もサラマンダーと呼ばれていた頃もあったようだ。似ていてまぎらわしいので、少数派である火妖精のほうが「不死鳥の園フランメ」という炎の聖地から名を取って、フランメルと呼ばれるようになったとか…
多種いる竜族血統の中では、その炎竜族が最も有名、そして数も多い。
南のレパイスト島は彼ら彼女らの国だし、この大陸に移ってきている炎竜族も多い。花月兵団にもレイリアはじめ五人の炎竜族が所属している。
ファリスの侍女であるルドラは雷竜族の血を引いていると言っていた。
ルルメラルアではほぼ見かけない非常に珍しい妖精族で、西のオノアとの間にあるレスタト荒野のさらに奥地に住まうという、雷竜と関連があるとされる妖精族だ。
炎竜族、雷竜族という竜族の共通点というのか…
ルベラやルドラたちには独特な、気高い…と形容すべき魔奈が感じられた。
言うなれば最強種族である竜族特有の威厳、あるいは人を畏怖させるようなものが、魔奈の流れを読める者には、見て取れるのだ…
コーラーのような引きこもりの子にすら、どこかそのオーラが漂っているような感じ… 極度の人見知りでびくびくしてて頼りなさげに見える…としても。
メイド衣装に銀色くるくる巻髪のルベラは、花月兵団がラクロアから持ってきた砂糖を水で溶いて煮詰めて、何か作ろうとしていた。それを金橙色ポニテ髪の炎竜族ルベラと、極薄水色ロング髪のベルノが両側から食い入るように眺めている。
ここで、アルテミシアにまた気づきがあった。
魔法の弟子の一人でもある、そのベルノについてだ。
ベルノは、リマヴェラ、トーニャ、エスターと揃ってフルマーシュ孤児仲間だ。
もともとはパン屋さんで働いていて、パン焼きを生業としていた。
そういう先入観があるので、アルテミシアは最初、火系統の魔法から教えた。
ベルノは、パン焼きや料理の加熱、はたまた剣を加熱して攻撃力を高めるような使い方をしていた、のだけど…
暑い季節で冷やすほうの需要が高まる最近になって、氷系が得意という事がわかってきた。
彼女の親友、海歌族のラピリスから冷却の魔法を習って、焼くほうの魔法以上に相性が良い事に気付き、今ではラピリスよりも使いこなすようになっていた。
それを見たアルテミシアも、
(この子は氷系の妖精族かな…?♪)
とか、考えていたところだ。
炎竜族ルベラと雷竜族ルドラと並んで一緒に作業している、そのベルノにも… 何故か同じ竜の妖精特有の雰囲気を感じるのだった。
つまり、氷の妖精、というか…
(ベルノって、まさか… 氷竜族?♪)
と、アルテミシアは驚き混じりの予想をする。
氷竜族は、はるか北方の永久雪原に住まう妖精族。
雪竜の加護を受けるとされる、滅多に姿を見せない種族だ。
ただし… ベルノは、ルドラ、ルベラ、コーラーたちと比べると、感じられる竜妖精特有の魔奈は弱い… おそらく、血統としては弱い… 妖精の血が薄いのだと思われる。
こうして偶然にも竜族女子たちが並んで作業する事がなければ、気づく機会かなかったかもしれない。
だが、血が微弱でも、適合した系統の術や技を鍛えれば、その血が目覚めるように強くなる事もある。
予想が間違っていたとしても、ベルノの氷魔法を育ててあげる意義に変わりないのだ。
(まだ予想の域を出ないけど、ちょっとした不意打ちのような発見ね…♪)
炎、雷、氷、と三種の竜族妖精が並んでいる姿を見つめながら、アルテミシアは思った…
だけど…
この発見は、これで終わりじゃなかった…
「あ、ア、アルテミシアさーん?」
気がつけば眼の前にいたのは…
キノコのような髪型のカワイイ、料理人娘のトリュールだ。
四色のキャンディが入った瓶を手にしている。今、竜妖精な女子たちが作っていたのは、この色鮮やかなアメ玉らしい。
このトリュールは、最近ずっとヘトヘト…
母親によって、かなりシゴかれてるからだ…
トリュールの母のキャビアンは、娘に身長で抜かれた小柄カワイイ系ママ…
なのに、おむねは娘よりずっと、すごく大きくて、そこはお母さんの貫禄…
という事は、さておいて…
キャビアンは先の戦いで、ただの料理人じゃなく、並外れた暗黒系剣士だという事が明かされ…
それ以降、この不甲斐ない娘は、業務の後にも先にも、つまり朝食前にも夕食後にも、母親から厳しく剣の稽古をつけられている。
今のような”行軍中”だからといって、修行の時間が減るわけでもない… あのママは小柄でカワイイくせに、娘のシツケにはかなり厳しいのだ。
だからトリュールは、疲れ果てて、ぼーーっとしてる事が多い、のだけど…
「あ、トリュール。ごめん♪ 考え事してた♪」
今はアルテミシアのほうが、ボ~~っとしていた…
と、我に返り、眼の前の色々キャンディーに乙女ヨロコビして、
竜の妖精族女子たちの作品である、そのアメ玉を一粒…
取ろうとして… はっ、と手を止めた。
(え… ウソ…!?♪)
アルテミシアは驚かざるをえない…
なんと…
花月兵団内でも下から数えたほうが早いような実力の、このトリュールからも…
ルベラやルドラ、ベルノたちと同じ、竜を冠する妖精に共通した独特な雰囲気を感じるのだ…
(え? え? どういうコト…?♭♭
魔奈読むのに集中しすぎて、私、おかしくなった…??♭♭)
アルテミシア、ちょっと混乱気味…
(こういう時は、そう、息を大きく吸って…♪ 吐いて…♪)
あらためて、眼の前のキノコ系オツカレ女子を、まじまじと見つめる…
「え…? えーっ! な、な、なんですか~~!?」
カオチカスギ至近距離から眺められ、トリュールのほうも、ちょっと混乱気味。
(…やっぱり… トリュールにも竜の妖精族の魔奈が…#
え、じゃあ…、って事は…、ひょっとして…!##)
「あ、ちょっと~! アルテミシアさ~ん!!」
珍しくスィーツ力より知的興味が上回ってるアルテミシア。その直情的行動に振り回されるトリュールの声掛けも虚しく… アルテミシアは駆け足でカフェ馬車のほうへ向かって行く。
カフェ馬車の中の端のほうで… 小柄でおっぱ…胸だけおっきい、その料理人ママが、晩餐会の料理づくりをしている…
キャビアンは普段から無口で感情もあまり出さない。
大樹村では、みんなのごはんを作ってくれるお母さんだし、三十過ぎても顔立ちがカワイイ系…なのに大人のお色気もあって、魅力的な女性として、かなり歳下な花月女子たちからも慕われている。
そして… 先日の戦いで、かなり強い戦士である事がわかって以来… 花月女子たちからますます尊敬される存在になっていた。
(やっぱり…#)
そんなキャビアンからも、娘以上にその魔奈を感じる…
彼女たち母娘は、東の砂漠を超えたラファール国の出身と聞いている。
夜の神リシュナスを信仰する彼の地に多い夜魔族の血統だと思っていたけれど…
(夜魔族じゃなくって、闇の、竜の血族…?
闇の竜族って言ったら… 幻の虚竜族になる、けど…?♭#)
ルルメラルア王国の北東に位置する荒野の国ラファールの、さらに北の果て…
虚空の奈落に住まう闇竜を崇めるという、幻の種族である。
先日までただの料理人だと思っていたから、ここまで注意して観察していなかったけれど…
このロリ巨乳型のママさんからは… その竜族の気配がさらに強い…
娘よりも母親のほうがその血が強いのは、当然と言えば当然なのだ。
虚竜族は…
その存在が確認されず、物語に出てくるのみの存在とも言われる…
ラファール国の王族が、この末裔だと噂されている程度の情報しかないが…
それが真実なら、他にもその血統を持つ者がいても不思議はない。
アルテミシアとしては、魔法使いとしての好奇心が満たされる瞬間だ。
こういう新たな発見との巡り合いは、最高に知識欲が満たされる。
今日は新たな収穫が多い… 多すぎる一日だった。
「アルテミシアさ~ん… どうしちゃったんですかぁ~…?」
トリュールがへろへろになりながら駆け戻ってきた。
そんなオツカレ系黒キノコ髪娘に対し、アルテミシアはキラキラした瞳で語りかけた。
「トリュール! 喜びなさい♪
貴女にも、もっと魔法を教え込んであげるわ♪ 強くなれるわよ~♪」
トリュールが使いこなせる魔法は少ない。
アルテミシアでも使った記憶のないキノコ爆弾というマイナー魔法(威力もマイナー…)と、治癒系がちょっと使える程度… 他にも教えてみたけれど、習得には至らなかった… キノコのやつ以外は覚える意欲がなかった説もあるが…
だけど彼女が伝説の虚竜族の血統だとすれば…
虚の技や魔法を学ばせれば、今ひとつ伸び悩んでる、この子も大化けする可能性がある。
このウキウキなアルテミシアの提案に、トリュールは喜ぶどころか…
「うえっ…」って感じに、露骨に表情が死んだ…
このお疲れ少女にしてみれば…
母親に武術修行で散々シゴかれた上に、さらにアルテミシアにまで魔法修行をつけられる…
今でもかなり限界なのに… さらに上のゲンカイが待っていたのだから…
うえっ、ってなるのも無理はない…。
まあアルテミシアは当然そういう反応をする、と思ってた。
「はい♪ そんなカオしないの♪
ウツロ系だったら、オツカレに効くいい魔法があるのよ~♪
たとえば、こんなふうに~」
アルテミシアはトリュールの手を取って、詠唱を始めた。
虚系魔法特有の、周囲の光を吸い込むような濃紫に鈍く陰る魔法陣が描かれた。
<<気力吸収>> アブソーブエナジー
虚の系統は一般に、消失のチカラであると言われる。
雷の対抗属性であるのだが、実際には炎や気などの正のエネルギーすべてとある程度は対抗する。
実はそれらの正のエネルギーを引き寄せる、という効果もあるので… 使い方によっては、そのエネルギーを吸収するように転じる技や術もあるのだ。吸血鬼と呼ばれる魔者や、暗黒の騎士なんかが、相手の気を奪って回復するような技だ。
この村は、太陽からのエネルギーに満ち満ちている。
その満ちあふれた正の気を、アルテミシアは手のひらで吸収し… 重ねているトリュールの手に移してゆく。
「どう?♪」
「うわ…! なんか… 力が流れ込んでくる感じ~! 身体が軽くなった~!」
トリュールは目に見えて元気に… まあ、オツカレ完治、という感じではなく、ちょっとマシになった、という程度ではあるけど。
アルテミシアほどの術士が、この光の園にあふれる陽の気の力を吸収すれば、目に見えるほどの効果が現れる。
今から修行するトリュールが単体で同じように使っても、これほどの効果は期待できないだろう、けど… 修行を重ねればそのうち、実用的なレベルになるだろう。
「これ、覚えたら、ツカレなくなっちゃうんです!?」
きのこ狩りやキノコ料理の事にしか興味を示さないトリュールが、珍しく魔法に興味を示した。
これ程まで何かを学ぼうと意欲的になった事は… 例のキノコ爆弾の魔法以来、だ。
「ところがね。そう上手くはいかないのよ♪」
空間や身体の魔奈の流れの関係上、この手の魔法は連続で使っても効果が薄くなる。
エネルギーを体力に変換する過程で、身体に魔奈的負荷がかかるため、と言われている…。
だから疲労を全快させるには至らない。そこまで都合のいいモノでもないのだ。
もちろん回復系の魔法と同じで、精神力(MP)を消耗する。
まあでもこのオツカレ系女子にとって… たとえ一日に一回でも、わずかでも体力を回復させる手段があるのは良い事… それが自身の適正と合っていれば、なおの事だ。
ちょっと元気になって、感激してるトリュールには…
(また明日から、魔法のおケイコをしてあげましょう♪)
と優しい目で見守りながら、アルテミシアは眼の前のビンから、キャンディを取り出して…
そのキレイなオレンジ色のやつを、お口に放り込んだ…
(う~ん… 甘い…♪ 色どおり、この村のオレンジの味ね…♪
…
…って!!♭#
ナニコレ… 辛っ!!♭♭##)
そう。そのキャンディーは、オレンジ味と思いきや…
いや、実際甘くてミカンの味がしたのだけど…
途中から… 舌が焼けるようにヒリついた!
「!☆π※!!###」
アルテミシアはそのアメ玉を、思わず噛み砕いで飲み込んで、カウンターに置いてあった水を飲んで、さらに飲んで、お口を洗うようにまた飲んだ。
「はぁ~~♭
ちょっとー! トリュールー!##
これ、キャンディに何入れたの~!?♭#」
驚き怒ってるアルテミシアの舌には… 焼けるようなヒィヒィ感が残ってる。
「え~と… 食べたの、オレンジのやつですねー?
それは… ルベラとコーラーが、粉にしたトウガラシ入れてた!」
「はぁ…?#
なんでそんなの入れるのよー!#」
竜族妖精女子たちが作っていたのは… まともなスィーツじゃなかった…
「みんなで好きなもの入れて作ってみたの~
でね、水色のはベルノが、ミントの葉っぱをすりツブして…
黄色いのは、侍女の…ルドラさんが、この村の山椒だったかなー…」
「す、好きなモノって…♭」
まあでも、言われてみれば、なんか…
炎竜族、雪竜族、雷竜族… ヒィヒィ、ヒンヤリ、ピリピリ… それぞれの味覚の好みがわかるような作品ではある…
「で、貴女は? キャンディに何入れたの?#」
虚竜族のは、残り一つ、茶色っぽいやつだ。
もはやその味よりも… 虚竜族の味覚の謎に迫ってみたい気分…
「よくぞ聞いてくださいました!
黒いキャンデイーに入れたのは~…
みんな大好き! コクのあるニガニガの、カフアパウダー、なのでした~!」
自慢げに語るトリュール… だけれど…
(うえっ… よりによって、カフアって~…♭♭♭)
今度はアルテミシアが、嫌になる番だった…
カフアという、メチャ苦い、煎った豆の研ぎ汁だ…
「みんな大好きって… あんな苦いの好きなのって…
貴方達母娘と、ハンナと、ナーリヤ、くらいじゃない!#」
甘みと混ぜると、どんな味になるのか… 想像するだけで食欲↓↓…
いかにスィーツ好きのアルテミシアでも、試す気ナシナシ…
「食べ物で遊ばないっ!##」
スィーツ乙女としては、ちょっと受け入れられない味覚。
「え~… 遊んでないですよ~… みんなマジメですよ~」
そうなのだ。彼女たちは真剣だ。真剣にマズいものを作…
もとい、妖精族によって、味の好みが分かれ…
それぞれがおいしいと思うモノを作っているようだ…
(味覚音痴には、つきあいきれないわ~♭)
正統派スィーツ女子であるアルテミシア的には… この四色キャンディはパスだ。
…まあ実はこの後… トリュール作カフアのキャンディーは、砂糖の甘さと相まって、他の女子にもけっこう好評だったのは余談である。
ファリスが訪れたのは、その日の夕刻だった。
従えているのは騎兵だけ。
全員が白馬に乗り、青鎧で統一されたその騎兵たちは、間違いなく精鋭だ。
そして…
ひときわ立派な青い神馬に乗った麗将軍の姿は、誰しもの目を奪ってやまない。
ここの村人たちに迎えられる姿は… 太陽の中に青空がやってきたような…
不自然なんだけど、なぜか自然な調和を感じさせる…
(やっぱり…♪)
そして、アルテミシアの予想通り…
ファリスからは、この村の人たちと同じ、光妖精の魔奈を感じた。
水系の魔奈は、海歌族とは違う感じ… だから水妖精だろうし、
風系の魔奈も、空歌族ではないので、風妖精と思われる。
そして光妖精。たぶん、ファリス自身は天翼族だと思い込んでいる。イセリナという天翼族の神官が側にいたんだから、それも仕方ない。
水・風・光という原初の妖精の血統を、三分されたように均衡して併せ持つ、
文・武・美を兼ね備えた完璧令嬢は…
この他にも、どんな“3”を備えているのか…
ファリスは、この村で待っていたルドラと、連れてきたレーナ、二人の侍女を従えるように三人で三角を描くように並び、その後ろには、三列に整列したエヴェリエ親衛隊を従えている。
そして相対し迎えるクレージュも…
フローレン、アルテミシア、レイリア、ユーミ、レメンティ、ラシュナス、冒険者組七人で並びつつ、
ちょうどたまたま四組七人ずつに分かれて集まっている花月女子たちを従える…
相変わらずの“7”を引き寄せる女っぷり…
こころなしか、周囲に集まった金色髪の村人たちも…
みんなそろって三人か、または七人で集まっているような並び方をしていたり…
光の村人、青の兵士、そして花月の女子たち…
みなで騒ぎ明かした晩餐の翌日…
いよいよ北へ向けて出発。
「さ、世界を救いに行こうか♪」
アルテミシアのこのジョークは…
昨日この広場で、この村の村長たちの話を聞いていた人にしかわからない。
ちょっと喜んだりしてる子は、その時広場で聞いていたのだろう。
「待ってろっ、世界っ!」
掲げた花園の剣を陽光に輝かせながら…
フローレンまで続けるユーモアにつられて、歓喜する花月女子たち。
なんか気合は十分な感じで、花月兵団、出陣!
でも、今回花月兵団に求められているのは…
前線での戦いじゃなく、あくまで後方支援である…




