107.三国の狭間の三つの勢力
宴会で盛り上がった…その翌朝。
クレージュの家にある広間にて、早朝から会議が開かれた。
リーダーのクレージュの他に、花月兵団の二人の長フローレン、アルテミシア、、
このラクロア大樹村の森妖精の長ロロリアと、彼女に付き従う銀の妖精のアルジェーン、獣人族の小柄な戦士ユーミの横には、相方の火竜族炎巫女レイリアの姿もある。今ラクロアの村にいる七人の幹部全員だ。
これに今朝の会議には、壱番隊からニ名…イーオスとヘーメルの一歳違いの叔母姪コンビも同席していた。
ヘーメルは黄銅の、イーオスは赤銅の、それぞれ真昼色と朝焼色の髪の色に近いビキニアーマーを着ている。
フローレンの赤の花びら鎧をあわせて、ビキニアーマー乙女が三色並んで座る姿は、なかなかに華があるものだ。
この山の南側で、ブロスナムの勢力が拡大しているという情報を得ていた。
スィーニ山の情勢が不穏になりかねないし、行商にも影響が出でかねない。
その対応についての会議だ。
この情報の出どころは…
クレージュやフローレンたちが留守にしていた、つい数日前…
レイリアたちが、山賊らしき集団と遭遇した事に始まる。
「じゃあレイリア、その先日の事、みんなに話してくれる?」
いつもは昼まで寝ているレイリアがこの会議に起きてきているのは、この説明のためだ。
クレージュから指示されたレイリアは、軽くグラスを傾けてお酒でノドを潤すと…
その日の出来事を話し始めた…
~~数日前~~
レイリアとユーミが女兵士たちを連れて、山中の捜索を行っていた。
同行していたのは、壱番隊の七人。
そしてレイリアの二人妹分、火竜族のガーネッタ、ネリアン。
レイリアは、酒のツマミになる木の実や山菜を探して、ユーミはいつもと違うケノモを狩ろうと…
まあそういう理由で、この二人の主導で、ちょっと南方面まで遠出したのだ。
ラクロア大樹の支配領域をちょっと南に外れたあたりだ。
敵と遭遇した。
山賊風の男どもだった。
これまでも、散策の途中で山賊っぽい連中を見かけた事は何度かあった。
だが毎度、相手のほうから離れ、逃げていく。
おそらく、食料を採り来るのが目的なので、戦いは避けていくのだろう。
人数はいつも、ほんの数人程度だ。
だが…この日遭遇した山賊は、軽く二十人を超える集団だった。
戦いになった。
…相手は女子の集団、しかも数で倍以上…と、見て取ったその連中は…
この女子たちを甘く見て、戦いを挑んできた、というところだ。
そして、人数半分以下の女子軍団に、まさか負けるとも思ってもなかったであろう…しかも一方的すぎる惨敗で。
ほんの僅かな時間で…山賊の半数以上、というか大半が倒れ、残りは逃走…
花月兵団の女兵士たちは、もちろん全員軽傷以下…
ネージェとディアンが、戦闘で軽い傷をもらうのは、いつもの事だ。
この二人は強いので、以前から他の子を庇って前に出て複数の敵を引き付ける戦い方をするし、けっこうムチャするので軽い怪我はいつもつきものだ。
小さなアーシャは自分で転んで怪我をしただけだ。お約束の行動だ。
料理人なトリュールはその戦闘の後、変なとこに生えてたキノコをムリに取ろうとして、坂を転がってケガしただけだ。自業自得だ。
壱番隊は隊長のウェーベルに加え、そのアーシャもトリュールも治癒魔法が使えるようになっている。だから軽い傷はすぐに治せるので、負傷者全員すぐその場で完治して傷の跡形も残ってない。
同行していた火竜族の二人…ガーネッタとネリアン、
太陽神グィニメグの巫女であるこの二人も、レイリアの姉御ほどではないけれど、戦士としても炎使いとしてもかなり強い。
巨尻なガーネッタは波打つ炎状の双短剣で、寄せる山賊共を容赦なく切り刻み、
爆乳なネリアンは波打つ炎状の蛇矛で、山賊共を容赦なく寄せ付けない。
ちなみにこの火竜族の二人では、おっとりしたネリアンではなく、勝ち気なガーネッタのほうが治癒は得意であったりする…見かけによらず…
花月兵団の一行は、難なく倍の数の山賊を撃退…
尤も…倒れているうちの半数以上は、派手に焼かれているか、派手に斬られているかである。言うまでもなく、レイリアとユーミの仕業だ。
そもそも、レイリアとユーミがいる時点で、並の人間では勝てない。
そこらの山賊程度なら、戦いと呼べない、一方的な虐殺にしかならないわけだ…
~~
ここで話が終わりなら、単に山賊を返り討ちにした、花月兵団のほうが強かった、というだけの…実になんともない事件なのだけど…
レイリアはグラスのお酒を一気に飲み干すと、考えを纏めるように一呼吸おいて、そして状況の続きを話し始めた。
~~
壱番隊隊長の未亡人なウェーベルと、ちっちゃなアーシャ、料理人のトリュールに周囲を警戒させる。ユーミと火竜族の妹分ガーネッタとネリアン、力の強い壱番隊のネージェとディアンたちには、現場の“あとしまつ”を任せ…
レイリアは、縛り上げた下っ端連中の尋問を開始した…
壱番隊のイーオスとヘーメルがその両側で、剣を片手で弄びながら気楽に構えている。
このビキニアーマー姿の二人も、ブロスナムの剣士であり、かなり強い。
妖精族以外の女子の中では、一番だろう。
で、その捕虜の山賊連中は、というと…
「オレたちゃ山賊じゃぁねぇ!」「そうだ! オレたちゃ…」
「「ブロスナム軍だぜぃ!」」
と言い張った…。
捕虜になったのに、やけに無理して気を張っている…ような感じだ。
「はぁ? 何言ってんだ、オマエら…」
レイリアはちょと眉をひそめ、目を鋭く、馬鹿を見下すように、
その意味不明発言を吐く雑魚を見下ろした。
武器も不揃いなうえに、刃欠けしてるボロ剣…、
防具も不揃いのうえに、遺骸から盗んだっぽいボロ鎧…、
剣技も体力任せで未熟だったし、動きに兵士独特の統率がない…
そもそもこいつら…小汚い! 見るだけでニオってきそうな小汚さだ。
「いや、オマエら…どこからどう見ても山賊だろ!?」
外見も中身も、いかにもザコ山賊…
そんな連中が、ブロスナムの正規兵、だと名乗っていることが意味不明…
こんな質の悪いのが兵士なんて…国が滅ぶレベルだろう…
いや…ブロスナムはとっくに滅んでいる訳だけど…。
「いや、どこからどう見てもブロスナムの兵隊さんだz…げふっ…!」
山賊が話す途中でヘンな声を上げたのは、レイリアが「まだ言うかっ!」って感じにブーツでそいつを踏みつけたからだ。
焔のような深紅の髪に、目つきが鋭く、セパレート黒レザー姿のレイリアは…どこからどう見ても、かなり“女王様”っぽい…
”自称”兵士のヤボなサンゾク顔を…黒革ショートパンツから伸びる長い生脚をぐりぐりさせて踏みにじっている…
レイリアは短気だ。
気の短さでは、相方のユーミにも負けない。
そんな“女王様”に、要領の悪い説明をすれば…当然、気分を損ねる訳で…容赦なくブーツの底が飛んでくる訳だ…。
レイリアは当然のことながら…頭が悪く説明が下手なこいつらと会話してると…
かなりイラついてきた!
そんなイライラを具現化させるように、“女王様”の手に赤銅色の鞭が握られた。
その火色金のムチを両手で引っ張りしならせると、ぼわっ、っと炎が走る…
「ひいい~…!」「じょ、女王様~…」「おゆ、おゆるしを~…」
ムチが加わって、完成女王様になったレイリアの姿に、ザコっぽいサンゾク共は、心からビビった…いや、なんか“奴隷”のようになった感もある…
この情けない姿で…兵士だなんて、よく言えたものだ…
兵士として強気に振る舞おうと頑張っていた、さっきまでの威勢はどこへ行ったのか…
レイリアは乱暴で性格的にもよくキレるけれど、頭のほうも割とキレる。
そして、感が鋭い。
連中の頭の悪い説明の中にも、何か異様なものを感じ取っている彼女は、
なんとか我慢(不満は脚に力を込め踏み踏み)しながら、粘り強くしっかり(鞭でびしびし脅しながら)話を聞こうとする…
そんなレイリアの我慢の甲斐あって…
(山賊どものアタマに多数の踏み跡を作りながら)
何とか少しずつ話が見えてきた…
要約すると…
このいかにも山賊な男どもは、やっぱり山賊だった。
だが…
彼らの隊長と副長の二人だけは、元ブロスナムの兵士である…あった、らしい。
今はもう“片付け”られているけれど、先程までそこで黒焦げになってたヤツと、真っ二つになってたヤツがそれだ。
どっちがどっちだったかわからないし、そして実にどうでもいい。
「隊長がブロスナム兵士、ってだけでしょう?
あなた達は違うわ。あきらかに兵士の訓練なんて受けてないもの!」
ビキニアーマー女兵士の赤銅のほう、イーオスが口を挟んだ。
彼女と姪のヘーメルは、ブロスナム王国の出身だ。
二人とも祖国への思い入れはまったく無い。
けれど、幼少の頃から多くのブロスナム兵士見てきた彼女たちにとって、こんな程度の連中が兵士を自称する事には、違和感ありありだ…
「オバさんの言う通りよ!
ブロスナムの兵士はあなた達ほど剣が下手じゃあないわよ!」
続けて黄銅ビキニのヘーメルも、横から相方の言葉を繋いだ。
遊ばせるようにゆらゆらさせてる剣を、縛られ座らされている男どもにいい加減に振り下ろし、額を刺す寸前で止める。
彼女の剣技の冴えを見せつけられた、自称“兵士”はまた派手にビビってる…
「私達こう見えても、戦巫女の候補だったし!
剣技を見ればブロスナムの兵士かただの山賊かくらい、丸わかりよ!」
イーオスも同じように、連中の髪の先っぽをちょっと切るくらいに剣を遊ばせながら、そう付け加えた。
で、姪の方に向き直って、「あと、オバさん言うな!」と一歳しか違わない姪に、いつものセリフを加えるのを忘れない…
だが…この男連中も、鞭にも剣にもビビりながらも…なんか必至に言い返した…
「いや、ホントだぜ! オレたちゃブロスナム軍に入ったんだ!」
「正式な仲間入りだぜい! 訓練は受けてないけどなあ!」
「正規の兵隊様に失礼だぜ! 山賊言うな! おbs…げふっ!」
イーオスは「やかましい!」と、レイリアを見習ってか、最後に喋った男を足蹴りにした。
この男は失礼な事を言おうとした可能性があるから、蹴られるのは自業自得だ。
下半身の薄いビキニアーマー女子の豪快な足蹴りを受けて、後ろにブっ倒れる男は…良いものでも見たようで…なんかちょっと嬉しそうな表情…
「ブロスナム軍…?」
レイリアはその言葉を聴き逃がせなかった。
花月兵団の女子たちは、ブロスナム軍には良い印象がない。
ブロスナム残党がルルメラルア各地に拠点を築くような動きを見せている。
図らずとも花月兵団はその拠点をニ度も潰している。
レイリア自身、そのうちの一つ、燃え落ちる砦で戦った…
今一緒に戦っている壱番隊の四人は、その砦で救い出した村娘たちだ。
その時の敵は、ブロスナムの兵を中核とした山賊どもだったのを思い出す…。
この山中にもあった奴らの拠点を、フローレンやロロリアたちが潰している。
従えていた魔獣鷲馬を倒し、オノアの乙女を三人救い出していた。
(この山に…まだ同じような拠点が残ってる…?)
嫌な感じを覚えたレイリアは、情報を詳しく聞き出そうと尋問を強めた…。
「…どういう事か、知ってる事全部、話してもらうよ…」
炎をまとった火色金の鞭を打ち付け、威嚇する。
地の砕ける激しい音と、派手に巻き上がる爆炎…
土塊が飛び散って地面に穴が空き、、周囲一帯の草が黒く焼け焦げる…
これで打たれたら、痛くて熱くて、苦しさでのたうち回るだろう…
運次第では即死…
…ちなみに「運良く」楽にシねるとは限らない…
「まあ、死なないように手加減はする、つもり…だけどねえ…」
いや、半端に手加減とかじゃなく…ひと思いに殺ってくれ…と思わずにいられないサンゾクどもは…恐怖に怯え、素直に知ってることを何でも話すのだった…
イキがったりビビったり、忙しい連中だ…
~~
この山の南側にブロスナム軍の大拠点があるらしいこと、
ブロスナム軍は点在する山賊を次々に吸収していること、
その拠点の兵数は二百にも及ぶ可能性があること、
レイリアたちがその“山賊”どもから聞き出した情報は…
事実だとすれば、聞き捨てならない内容だった。
「二百、か…」
「かなりの大勢力ね…♭」
クレージュはその数を重く見たような口調だった。
深刻な面持ちのまま、机の上の地図を、一本立てた爪先で、とんとん、と何度かつついた。
この山の大まかな地図の、その南に抜ける山道の部分だ。
いつも山を下りる時に、必ず通らなければならない山道…
今後彼らが動き、この道を押さえられたら、行商自体が困難になってしまう。
隣にいるアルテミシアも深刻な面持ちで、その地図に目を落としたままだ。
二百という兵数は、この山の規模を考えると、かなり大きな集団だと言える…
しかも、その二百という数は、捕虜の山賊たちの見立てた感じで、だ。
彼らの見えてないところにもっといるかも知れないし、さらに合流し数を増しているかもしれない。
元ブロスナムの兵士を中核とした組織が、山中の山賊どもを取り込んでいるのだ。
「ブロスナムに帰順したって形にして、山賊どもに兵士の地位を与えているみたいだね」
レイリアはそう伝えながら、お酒のグラスをちょっとだけ口にした。
「でもね…誰彼無く軍に入れるなんて…破れかぶれな感じはするけどね」
フローレンも軽くグラスを傾ける。
こっちの中身はお酒じゃなくて、ただの水だ。
この意見に「ですね」と、イーオスとヘーメルが頷いた。
ブロスナムは武を尊ぶ国だから、他国と比べ兵士の地位が高い。
なので、一人前の兵士と認められるには、それなりの実力が伴わなければならない。
先の戦いで、倍以上の兵数差があるルルメラルアと対等に戦えたのも、個々の兵の強さが上回っていたところが大きい。
だから逆の見方をするなら、フローレンが言う通り、そんな弱兵でも受け入れざるを経ない状況である、という訳だ。
そもそもブロスナム王国は形の上では滅亡しているし、山にいる連中は、旧国内で反乱を起こしている軍組織とは連携が取れていない可能性もある。
山賊程度のザコを兵に加える行為は、山中勢力の独自判断だという可能性が高い。
なにしろ形式上、王国が滅んでいるので、何とでも言える訳だ。
この山中から、新生ブロスナムを名乗る勢力が動き始める可能性すら、無いとは言い切れない。
反乱軍の本隊とは別の国として、二つのブロスナムが建国される可能性もあるわけだ。
「まとまってくれたほうが、片付けるのは楽だからね」
山中に散らばっている山賊組織を、一つ一つ潰して回るのは手がかかる、だから今の形のほうが殲滅しやすい、というのがフローレンの、やや楽観的な考え方だ。
「まあでも、ザコでも群れれば、意外と油断できないものよ♪」
慎重論のアルテミシアが言う通り、数は力でもあるのだ。
多く群れていれば、中には一人や二人、強力な敵もいたりするものだ。
「まあ…どちらにしても…捨て置けないわ…
山道を押さえらる前に、何とかしなきゃ、ね…」
クレージュはこの南側拠点の件を、かなり深刻に捉えている。
もちろん、行商に支障が出るからだ。
彼女の考えの中心は、常に商売にある。
花月兵団全員の生活も、そこにかかっているからだ。
クレージュも情報は集めていたのだろうけれど…
深い山の中の事まで、明確に把握できるものではないだろう。
いや…いきなり大きな拠点ができたわけじゃあない。
旧ブロスナム領は、このスィーニ山の北に位置するわけだから、その残党が流れてくるとすれば、それは山の北側からであるはずだ。山の北側、このラクロア村より北に拠点がいきなり現れたなら、それで説明がつく。
それが、南側、という事は…
元からその南側にはブロスナムの拠点があったのだろう。
フローレンは、一月前の戦いを思い出していた。
一騎打ちした、あの赤髭の、戦斧使いの大将…
あの男は当てにしていた魔獣鷲馬を倒され、姿を眩ませた訳だけど…
彼らは南へ逃れ、その拠点に合流した、と考えるのが自然だ。
あの拠点を落としたあと、周囲にブロスナム残党や山賊らしい者は見かけなくなった。
かわりに、オノアの難民と出会う事が増えた。
自分たちの生活と安全を脅かす勢力が消えて、活動しやすくなったのだろう。
花月兵団は、そのいくつかの集落と仲良くなった。
穀物や町で仕入れた物資を、物々交換で提供している。
安くても必ず代価をもらうのは、一方的な施しにしないためだ。タダであげるのを当たり前にしてはいけない。
花月兵団の支配領域を、山の北東方面、とすると…
山の中央~西側の地域には、そういったオノアの難民の集落が多い。
それも、五十名に満たない小さな集団が、かなりの距離をあけて点在している。
あまり大きな数で固まっていると、近場の山の恵みをすぐに取り尽くしてしまう恐れがあるからだ。
そして、ひっそり隠れるように暮らしている。
闇雲に歩き回っても、彼らの集落と遭遇する可能性は低い。
彼らの集落の構成は…五十人程度の集落と言っても、これは、老若男女合わせての人数である。
戦える歳の男性が少なく、五人に一人もいれば良いほう…
何しろオノアの地の戦乱で、戦える男性の多くが戦没している事が多いのだ。逃れてくるのは女性や老人子供が多い。
それでも、オノアは民族的に遊牧や部族間抗争や魔物との戦いで、部族全体として戦いに慣れている。花月兵団に加わった三人の女子のように、女性でも戦闘技術を身につけている者も多いようだ。
戦力的には、もうちょっと上の計算ができるだろう。
西方オノアからの難民のグループは、以前から山賊やブロスナム勢力と対立している。
オノアの各部族同士が、必ずしも仲が良いわけではないので、上手くまとまるかどうか不安はあるが、ブロスナムの組織が山賊を取り込んで巨大化する事で、それに対抗してオノア難民側も、各個撃破される前に、連合して対抗しようとするだろう。
花月兵団を合わせ、この山の勢力は、三つに集約される事になる。
そして花月兵団の方針としては…
「オノアの勢力と協力し、ブロスナム拠点を殲滅する!」
当然、そういう事になる。
亡国ブロスナム、神聖王国ラナ、ルルメラルア王国…三つの国に囲まれた狭間の地、スィーニの山中で…
ブロスナム残党軍、オノア難民、そして花月兵団の三者による、小さな三国戦が始まろうとしていた…




