0.~~揃わなかった鍵~~
星空の下
古代に滅びし都の、空中庭園にて
つい先刻まで、激しい戦いがあった
今はただ、静かな星空だけが、この場を見下ろしている
無数に倒れているのは、いずれも女性の戦士や兵士たち
この暗がりに、未だに立っているのは、ただの三人だけだった
花の女剣士
「…とりあえず、救われたのよね? 世界は…」
虹色の少女
「はい…少なくとも、現在と、この少し先の時代までは…ですが…」
月の魔女
「私達の戦いにも…ここで果てる事にも…意味はある、って事よね…♭」
虹色の少女
「ええ…ですが…
彼は…また…現れるでしょう…そう…近い未来に、必ず…
“鍵”が揃わなかったのですから…」
そこからまた、静寂が空気を支配する…
星明かりだけが照らす暗がりの中、長くも短くもある、時が流れる
弔いの光のように、
星が一つ、流れた
花の女剣士
「ここで終わりにできれば良かったけど…言っても仕方ないかな…」
月の魔女
「そうね…。未来の事は、貴女とその時代の“私達”に任せたわよ…♪」
虹色の少女
「ありがとう…フローレン…アルテミシア…ここで散っていった、他のみんなも…」
花と月と虹
三人は、抱き合うように身を寄せた
彼女たちを見守るように、また星が流れた
「「「一緒に戦えたのが…あなたたちで……本当に良かった…」」」