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水平線上ノ煌星  作者: 猫屋敷 凪音
ファミリー編
12/48

第10夜 スマイリー向日葵パラダイス

「ところでスマイリー向日葵パラダイスって何ですか?」

みんながワイワイしてる所申し訳ないが、質問に戻らせていただいた。

「旗を見ても別世界の人間じゃ分からないか」

白夜さんが呆れた顔で両手を黒金さんにくっ付ける。

「そうだよな。ノミの居た場所では、カゲが居ないんだもんな」

白夜さんの手を握り返した黒金さんが、ターンをしてポーズを決める。

2人に負けないようにミラさんの手を握って、私もターンをした。

「スマイリー向日葵パラダイスと旗、カゲは関係があるんですか?」

「スマパラの主な仕事がカゲ退治だ。そして、あの旗はその時に使用する。カゲ退治は、地域住民を守る素敵な仕事だ!」

ふむふむ。

先程、アチョーさんにセクハラをした時「通報しても捕まえる側はオレたち」と言っていた。

この組織は少年探偵団的に治安を維持してるのだろう。

「他には何でも屋をやってるぞ」

「スマパラは8番街のお手伝い屋さんっす!」

お日様オーラのある黒金さんとボムちゃんコンビに説明されると、気分がとってもホワホワする。

「楽しそうだね〜」

「楽しいっす〜」

おててを繋いだ状態で、ミラさんとスキップで回転をした。

ペチッ

握った両手が頬に当てられて、真っ赤な顔をしたミラさんと目が合う。

「ドキドキする事するな」

「え。」

それ、こっちのセリフだわ。

手と手が離れた隙に、ミラさんがアチョーさんの影に隠れる。

「ミラはシャイボーイなんす」

「そうみたいだね」

ボムちゃんと一緒に「いひひ」と笑う。

「うるさいっ!」

ミラさんに引っ付かれたアチョーさんが、眉を下げて穏やかな笑みを見せた。

はぁー、愛しい。推せる。この家族ファミリー全員推せる。

「カゲ退治は危険な仕事だから、ノゾミがやりたくなければやらなくても良いぞ」

「とは言っても、ウチにはクロがいるから他の所よりは安全だよ。スマパラ設立以来、5年間死者0だもん」

黒金さんと白夜さんの言葉に有り難く頷いた。

そして日本人らしい回答をする。

「イけたらイきます」

これぞSOSO(曖昧な)JAPANESE(日本人)






_______


ノゾミは無事、家族としてスマパラに受け入れられた。

女子組は今みんなでお風呂に入っており、アチョーは食器の片付け、ミラは自室で何かをしている。

食堂に残ったのは、俺とシロだけだ。

節電の為、薄暗くした食堂でシロと向かい合った。

普段賑やかなボムやヒナがいないと、時計の秒針の音が気になる。

「やっと2人きりになれたね」

「あぁ」

俺とシロに前置きは必要無いので、シロはズバリ核心を突いてきた。

「7番街の件、どう処理する?」

ノゾミが居る場所では語れなかったが、話題は7番街との関係性になる。

「ノゾミの事情を聞く限り、悪気は無かったから謝って済ませたい」

と、そう言いたい所だがそうもいかない。

謝って済むならギャングはいらない。

ウチにはシロが居るから、ノゾミが嘘を吐いていない。または、ノゾミがそれを嘘と思っていない事が分かった。

普通なら、何処かの組織の差し金と思われて落とし前をつけられる。

今、7番街からはスマパラが盗人ぬすっとを送ったと思われている。

ノゾミは今、ファミリーなのである意味はそうなんだが……。

「そんなに迷わなくても、遅かれ早かれ7番街とは衝突してたと思うよ」

「んーー」

毒虎一家どっこファミリーは、1年前先代が引退して若いお嬢さんがボスになった。

前の爺ちゃんなら話が通じたかもしれないが、娘さんは積極的に戦力を拡大する交戦的なタイプだ。

そして、やけに俺を毒虎一家に引き抜こうとしている。

シロの言う通り、遅かれ早かれ衝突していた可能性が……無くも無い、か…?

「あのお嬢さんなら、俺が誠意を込めて謝れば許してくれる気がする」

会った回数は少なくても、俺は瞳が綺麗で心の優しそうな女の子だと確信している。

「それは無い。今月のカゲの襲撃はあり得ない激しさだったのは覚えてる?」

「うん」

いつもより多いし、大きいのもたくさん居た。

ノゾミを襲うカゲが居たのも、7番街の許容量を超えたカゲが街を彷徨うろついていた可能性が高い。

「備品の消耗だけじゃない。場所によっては人員も」

硬く握りしめた拳に、シロの手が寄り添う。いつの間にか、シロが後ろから俺を抱きしめていた。

俺がいる限り、家族ファミリーは絶対に死なせない。

「どの街も資金繰りの為に大きく動くよ。戦闘に慣れた人間は育てるより、隷属させる方が楽に獲得出来る。

その内、どこも戦争になる」

戦いの結果、負けた組の人間はその街の組織に吸収される。

そうなれば、自分を守護する組織が消えた街はカゲの襲撃を生き残れない。

「この先、影の国を統一して王になろうとする地区もあるかもしれない」

「王はいらない」

この国に王はいらない。

この国で王になろうとする奴が居るなら、俺が必ず立ちはだかる。


俺は前に進む。

この人生で何が出来るか分からないが、全ての罪を清算して『王はいらない』と証明しなければいけない。

そうでなければ、あの時死んでしまった人達が報われない。


そして、いつかシロを光の国に帰す。

シロの大好きな星がたくさん見れる上の世界に。


「僕は何処までもクロと一緒だよ」

「俺がシロを必ず幸せにするよ」

俺の肩を抱くシロのなめらかな手の甲に誓いのキスをした。

『スマパラみんなの将来の目標』


クロ

「視界に入りきらないほど広い空を、シロと一緒に見に行きたい。」


シロ

「クロとずっと一緒にいられますように。」


ヒナ

「お兄ちゃんと白お兄ちゃんを結婚させる!」


ミラ

「神様、恋人とイチャコラしてみたいです。」


ボム

「ファミリーみんなが成人するまで平和に暮らしたいっす」


アチョー

「もっと品行方正で頼られるような人間になりたいです」


ハチ

「ヒナちゃんと走ってお散歩したい」


ノゾミ

「東京の家に帰る。出来れば長谷川さんの家族に訃報を伝える」

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