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クロマティ・ヘゲモニー 万色竜の覇権  作者: 鞘沙耶
ドラゴニア王国
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6:紺色の誓い


大陸南部のルーメンディア王国。その中でも、古くから裏の貿易と貴族の慣習が深く根付く、最も美しいとされる港湾都市、フォルテッツァ。

その街の貴族街、一人の見窄らしい流浪の神官に偽装した紺竜のインディゴは、高い壁に囲まれた邸宅の影に身を潜めていた。

彼の使命は、人間社会に幽閉され、不当な扱いを受けている眷属達を探し出すことだ。

インディゴは、目を閉じる。彼の探知魔法は、地表を這うように邸宅の奥深くへと侵入していった。


(...ここだ。このフォルテッツァの邸宅の地下に、明らかに加護の痕跡と、その血族の強い苦痛が感じられる)


それは、初代竜王が与え、脈々と受け継がれてきた神聖な加護を持つドラゴニアが、人間どもによって家畜同然の扱いを受けることがインディゴには許せなかった。それは、王への忠誠だとか、選民意識だとかそう言ったありきたりなものではなく、ただ人間の汚いエゴが許せなかった。

(その汚らしい心を持つ人間からしか、番を得られないとは、神も性格が悪い・・・・)

彼は、隠密魔法を最大限に展開し、邸宅の厳重な結界を静かにすり抜けた。

地下深く。そこは、日光も届かない、汚物と腐った何かの臭いが充満する汚れた地下牢だった。檻の中にいたのは、年若い女性と、その幼い子供。彼らの肌には鱗が光る。

インディゴは、その光景を前に、静かに、しかし優しさを含んだ声で話しかけた。


「私は、インディゴ。ドラゴニア王国の使者です」


インディゴは、魔法で檻の錠を破壊し、彼女たちの前に静かに膝をおり、話しかけた。


「王の命によりあなた方を、助けに参りました


インディゴは姿変えの指輪を外し、真の姿をを解放した。そしてゆっくりと説明を始めた。


「あなた方の力は、遥か昔、我らの主人たる竜の王から与えられた加護の証です。あなた方は、決して家畜などではありません。現竜王ノクス様は、この千年間とある理由から眠りにつき、その存在を忘れられておりました。」


インディゴは、力強く続けた。


「ノクス様は、その千年の責務を果たすため、立ち上がりました。そして、この世界の中央、アラキラ王国の禁忌の森に、ドラゴニア王国として建国を宣言したのです」


彼は、子供を抱きしめる女性に視線を合わせた。


「私の使命は、王の加護の元にあるあなたたちを、真の故郷である聖域へとお連れすることです。もう、誰もあなたたちを傷つけることはありませんよ」

インディゴは、女性と子供を安全な場所へ誘導するため、すぐさま聖域に控える金竜アイゼンへ、魔法センディングで報告と指示を送った。


「アイゼン殿、こちらインディゴ。眷属の保護に成功した。現在地はフォルテッツァの貴族街だ。ただちにポータルを開いていただきたい。安全な帰還ルートを確保する」


アイゼンからの了承のメッセージを受け取ると、インディゴは地下室に光る**紺色の転移門ポータル**を出現させた。


「さあ、この門の向こう側が、あなた方の新しい故郷です。ようこそ、ドラゴニア王国へ」


紺竜インディゴは、港湾都市フォルテッツァの暗部に隠された仄暗い汚れを拭い去るべく、更に闇に潜る。


多くの眷属を助けねばならない。汚れ切った人間の道具にしてはならない。

インディゴは決意を新たにする。



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