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クロマティ・ヘゲモニー 万色竜の覇権  作者: 鞘沙耶
ドラゴニア王国
55/86

1:新たなる躍動




聖域:玉座の間。


ノクスは、エセルを腕に抱きながら、部屋に控える9体の臣下を見下ろしていた。

玉座は紫水晶の光を放ち、ノクスの冷徹な赤い瞳を際立たせて


「これより、この聖域をドラゴニア王国として布告する。王は我ノクス、王妃はエセル。そして、お前たち9体は、この国の礎となれ」


彼はエセルの金色の髪にそっと触れた。


「すべての行動は、このドラゴニア王国の安寧のため、そして、千年の時を苦難を持って待ち続けた眷属たるドラゴニアのためと知れ」


ノクスは、まず赤竜ヴァルカンと銅竜クプロに視線を向けた。


「ヴァルカン。お前は赤竜商会を設立し、経済支配の核となれ。聖域の魔石と希少な宝石を扱い、人間どもの富を、豪胆さをもって引き寄せろ」


ヴァルカンは一歩踏みだし

「御意!竜王の威信、ヴァルカンがその手で世界に示しましょう。人間どもの財は、必ずや我が王国のものとなります!」


「クプロ(銅竜)。お前の使命は、金融の操作だ。人間どもが絶対的に信じる、通貨の価値を内部から崩壊させろ」


クプロは落ち着いた声で厳かに応じた。

「承知いたしました。王国の資産を盤石なものとするため、愚かな金融システムを徹底的に監査し、掌握いたします」


次にノクスは、銀竜ルキウス、緑竜ファーン、白竜ノヴァ、青竜カイラスに命を下した。


「ルキウス(銀竜)。お前は諜報の要。ヴァルカン商会の背後で、全てを監視し、不正を見抜け。そして、お前の番探しも、怠るな」


ルキウスは焦燥を隠しきれず、力強く応える。


「必ずや、成果を上げて参ります!」


ノクスは緑竜ファーンに目を移した。ファーンは周囲を伺うように口を開いた。


「...資源の確保が、一番、重要だと存じます...土台である食料と土地を掌握しなければ...」


「その通りだ、ファーン。お前は資源の根幹を押さえろ。食料と土地、全てを統制せよ」


「ノヴァ(白竜)。お前は外交という最も鋭い刃。魅力をもって人間どもを籠絡し、国を操ってみせろ」


ノヴァは優雅に一礼する。


「あら、ノクス様。外交とは、エレガントな戦いでございますわ。私が微笑みと優雅さで、彼らの首捧げて見せますわぁ」


「カイラス(青竜)。お前は物流の支配。水路・空路、すべての流れを掌握せよ」

カイラスは理知的に頭を下げる。

「はい。僕がすべての輸送経路の支配を確固たるものにします」

最後に、ノクスは紺竜インディゴと紫竜アメティストに命を下した。


「インディゴ(紺竜)。お前の力は、隠密と探知にある。世界中に散らばったドラゴニアの血を引く者を捜索し、保護せよ。彼らをこの聖域に誘導せよ。」


インディゴは沈黙をもって命令を受け入れた。その瞳には深い決意が宿っている。


「アメティスト(紫竜)。お前は、シオン、ガルドと共に、ドラゴニア騎士団を編成せよ。シオンの忠誠心と、人間が持つ力を使い、我々の忠実な剣となるドラゴニア兵士を、急ぎ作り上げさせろ」


アメティストは厳粛な面持ちで応じた。


「御意。必ずや、王国の支配を支える、忠実な力として鍛え上げます」


「最後にアイゼン、お前全ての調整役とする。

ゆくゆくは宰相の位を用意する。我の為、眷属のため励んで欲しい。」


アイゼンは優雅に頭を下げる。


ノクスは、エセルを抱きしめたまま、出陣する竜たちを見つめた。


「行け。すべての行動は、このドラゴニア王国のため、そして、忘れ去られた竜王の威信のためだ!」


9体の竜たちは、それぞれの使命を胸に、静かに、しかし決意に満ちた足取りで、聖域の結界を抜けて、動乱の世界へと飛び立っていった。



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