表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロマティ・ヘゲモニー 万色竜の覇権  作者: 鞘沙耶
王の目覚め
51/86

終着


シオンがノクスにエセルを託し、静かに身を引いた後、ノクスはエセルと共に、鱗月村について話し合った。

ノクスは、もはやノアではなく、竜王であり、1000年の孤独のため彼らを放置していた罪を償わなければならない。


ノクスは、ノアの姿のままエセルを隣に立たせ、村人たち全員を広場に集めた。

彼の瞳は、かつてないほど強く、深紅に輝いていた。


「鱗月村の民よ。我は、竜王ノクス。1000年の眠りから覚め、お前達を導く者だ。」


ノアは、竜王ノクスとして圧倒的な威圧感を放った。アメティストは深く頭を下げ、村人たちは畏怖に震えた。


「よって、この村は、我の支配下に置くこととする。」


村人たちは驚きに息を飲んだが、ノクスは手を止めなかった。


「お前達は私の眷属だ。我は、お前達を無慈悲に放り出すことはしない。我が、お前達を我の聖域の結界が永遠に守護する、安全な土地へと導く」

ノクスは、彼らの目の前に、彼の聖域の周辺に存在する、外部に脅かされない土地の幻影を見せた。


「そこは、お前達の命が、飢えも病も、そしていかなる貴族の暴力にも晒されない、真の平和の地だ。これが、番を得た竜王の誓約であり、1000年放置してきた私の贖罪だ」


村人たちがノクスの提案に戸惑う中、シオンは群衆の中から一歩前に出た。彼は、ノクスの顔ではなく、ノクスの腕に寄り添い、安らぎに満ちたエセルの顔を見つめた。


「皆、ノクス様の提案を受け入れよう」


シオンは、力強く、しかし穏やかな声で言った。


「俺たちが、自分の力では絶対に手に入れられなかった絶対的な安全を、ノクス様が与えてくれる。俺は、その新しい地で、二度と村が脅かされないよう、竜王に仕える戦士として、皆を守る」


シオンは、ノクスへの競争をノクスへの忠誠へと昇華させた。

ノクスは、シオンの忠誠と、村人たちの感謝の念を受け入れた。

そして、ノクスはエセルを抱き上げ、誰も見ていない場所で、静かに彼の聖域へと戻った。


エセルは、ノクスの腕の中で、聖域の永遠の静寂と、彼の燃えるような愛に包まれた。


「ノクス…これで、本当にずっと一緒ね」


「永遠にな、エセル。あなたは、もう何一つ恐れる必要はない。この世界で、あなたを傷つけられるものは、二度と現れない」


ノクスの宣言と共に、鱗月村の民は、竜王の聖域の傍にある安全な新しい場所へと移された。

竜王ノクスは、千年間の孤独を、番であるエセルという唯一の安寧によって終わらせ、その愛と支配的な力をもって、彼の守護する民に永遠の平和を与える。


間も無く、各地に散ったドラゴニアも気がつくだろう。己の崇める王が目覚めたと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ