8話 目覚め
男は意識を取り戻す。
「...知らない天井だ。」
男は状況が混濁して頭の整理が追いつかなかったためにお決まりのセリフを述べてみる。
「はぁ。なんなんだ地面からドラゴンて..ここは病院みたいだがとりあえず助かったっぽいな。うん。体も動く」
そう言いながら男は手をにぎにぎし、体にまったく支障が無いことを確認した。
ガラララッ!!個室のドアが勢い良く開かれる
「お兄ちゃん!!大丈夫?道端で倒れてたって聞いたけど何があったの?怪我はない?お腹空いてない?なんで連絡くれなかったの!」
妹の穂乃果が怒涛の勢いで質問攻めにする。
「ま、まぁ待て落ち着け穂乃果、ちょっと電波の届かない落とし穴?に落ちただけだから..あ、お腹はぺこぺこだ。」
と男は自分でも良くわからない返答をお腹を鳴らしながら返す。
「全然意味わからないけど、とりあえず無事でよかった〜〜」
「なんか食べ物買ってくるからとりあえず安静にしててよね!」
(本当に穂乃果は気の利く良い妹だ..)
男は感慨にふけりながら手を振って最愛の妹を見送る。
「さてと。とりあえず、状況を整理するか。俺が道端に倒れてたって穂乃果は言ってたな。つまり龍が出てきた穴は何処かに消えてしまった..?それとも俺が幻覚にかかっていたのか..?」
男は手を顎に当てながら考察する。
「気を失う前、アプリに通知が来ていたな。とりあえず何かのヒントになるかもしれない。みてみるか。」
男はスマホを取り出してEvolveをひらく。
ーログー
<クエストS5 がクリアされました>
<ワールドゲームが開催されました>
<ログインボーナス3日目によりショップが解放されました>
<シークレットクエストクリアにより称号勇者を獲得しました>
ーステータスー
筋力18+1000
素早さ17+1000
知能1.5+1000
防御13+1000
魔法防御0+1000
魔法攻撃0+1000
ー称号ー
世界に選ばれし者(笑)
ボーナス獲得初心者
勇者
「なんだこれ..ステータスが爆上がりしてる上にワールドゲームってのが開催してる..いや俺が開いたのか..?
とりあえずルールがまったくわからない以上次いつこういった罠にかかるかもわからん。よし、強くなろう。筋トレするか!!!」
分かっていたが男は男であった。
カツンカツンカツン。病院の廊下に何者かの足音が鳴り響く....