3話 実はシスコンなボディビルダー
「お兄ちゃーーーーん!!」
そう言ってドアを開けるなり小柄な人物が男の胸に飛び込んできた。
「おいおい、どうした穂乃果。急に来て抱きついてくるなんてびっくりするぞ。」
そういいながら男はまんざらでもなさそうにそっぽを向きながら顔を赤らめる。
この人物は西京 穂乃果。男の義理の妹である。髪型はショートカット幼さを残した顔だが、そのパーツの整い方は将来絶対に美人になることが伺える。
男が実家暮らしだった頃は歳も5つ離れているせいかあまり会話が多くなかったが、男が一人暮らしで上京してから度々顔を出しにくるようになった。
「もー。家でも運動しないくせにプロテインばっかり飲んでたけどこっちでもこんなに飲んで!食生活大丈夫?」
妹は心配そうにそう男に問いかける。
「ああ問題ないさ、ちゃんと..野菜とかも..まぁとってる..し?」
男はしどろもどろになりながらそう返す。
「はい。嘘確定。お兄ちゃん嘘つくとき絶対言葉詰まらせるもん。」
「いや、まぁ..大丈夫1日の成人男性の摂取カロリーはこしてるし..(ごにょごにょ」
「はいはい。材料買ってきたから昼ご飯はまかせて。」
「さんきゅ。穂乃果。遊べるものと言ったら..筋トレ器具くらいしかないけど寛いでってくれ」
(あぁ。相変わらず神な妹をありがとう神さま。全国の神にアーメン。)
男が心の中で気持ち悪いことを言っているがとても仲の良い兄弟である。
台所に置いてある携帯を見ながら穂乃果は男に尋ねる。
「なにこれ?お兄ちゃん携帯かったの?お兄ちゃんに電子機器とかwぷぷぷー」
「なっ別にいいだろ。このご時世携帯くらい普通だろう」
「兄の微々たる成長が見れて穂乃果感心ー。」
「絶対褒められてないきがする..」
「Rhein交換しようよー」
「いっ、いいぞ?」
男はまた、しどろもどろになりながらも携帯を触っていると、
「はいこれ。QRコード。...えっ?まさかやり方わかんない?」
「うぅ..穂乃果さん教えて下さい」
男は腰を低くして懇願の意を示す。
「もーしょうがないなぁーしょうがないから色々教えてあげる!」
穂乃果は言動とは別にどこか嬉しそうな表情をしながら
男にスマホの使い方を長々と教えた。
「ありがとう!穂乃果!これで俺もスマホマスターだ!」
「全然いいっていいってー。あ、もうこんな時間か、五時..昼ごはんっていうか夜ご飯つくってあげるね!」
そういいながら穂乃果は持ってきた食材で台所に立ち料理を始める。
トントントン。包丁の心地よいリズムと実家のような安心感に浸りながら男は考える。
「あのアプリのことも聞いてみたほうが良いのだろうか..」
暫く頭を悩ませていると、
「できたよー。味噌汁と納豆と鮭のムニエルご飯にデザートの手作りクッキーになりまーす」
「おお!ありがとう!じゃあせーのっ」
「「いただきます」」
男アプリのことも忘れ、がっつきながら箸を進める。
「そんな焦って食べると喉を詰まらせるよ?でもお口に合うようで良かったぁ。」
「俺はこんな可愛くて料理のできる妹を持って幸せダァ!」
「そこまでいわれると恥ずかしいんだけど..」
穂乃果は本当に恥ずかしそうに箸を持つ手を進めた。
「すまんすまん。でも本当に今日はありがとな。とっても助かった。」
「いいっていいって。一人暮らしでお兄ちゃん大変そうだし困ったらまたいつでも呼んでよね!呼ばれなくても突然来るけどね!」
「はは、それはうれしいな」
そして暫く兄弟で和気藹々と色々な話をした。
「気をつけて帰るんだぞ?駅まで本当に送らなくていいか?」
「うん!大丈夫。またね!お兄ちゃん」
度々振り返って手を振りながらスタスタと俺のアパートの階段を穂乃果が降りていく。
「さて。早くフィジークに出て穂乃果に自慢しなきゃな。」
男はまだ身の丈にあわぬそんな夢を抱きながらまた自室へ戻り夜のトレーニングをはじめるのであった。
ーステータスー
筋力14
素早さ10
知能0.5
防御11
魔法防御0
魔法攻撃0
ー称号ー
世界に選ばれし者(笑)
ー筋トレメンタルー
すこぶる好調