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放課後と夜道

「「「え?」」」

 

 そんな驚くことか?

 

「いや、本屋寄ろうと思ってな」

「あー、確かにこっちの本屋品揃え悪いもんねー」

「ああ、じゃ。またな」

「うん、じゃねー。健、美花」

 

 そう俺たちに言って、鈴と隼は帰っていった。

 

「行くか」

「うん」

 

 電車に乗ってからはあまり喋らなかった。

 俺もこっちの電車に乗るとは言えほんの数駅だ。

 

 目的の駅に着き、電車が減速を始めたので別れの挨拶を告げようと、口を開く。

 

「香野。俺、ここの駅だから」

「うん」

「じゃ、また明日」

「うん」

 

(こいつ、聞いてんのかな?ま、いっか。)

 

 そう、思い降りる準備を始める。

 

 電車が止まり、ドアが開く。

 一応、もう一度別れの挨拶をする。

 

「じゃ。」

 

 そうして電車を降り、階段を上る。

 少し歩いて改札を通り抜ける。

 

 そこから、少し歩いて大型本屋の前で立ち止まる。

 そして、口を開く。

 

「気付いてないと思ったか? 香野」

 

 

 これは、改札を通り抜けるあたりまでさかのぼる。

 改札を通り抜けて歩きはじめて後ろにぞわぞわとしたというかなんか背中が痒かったのだ。視線を感じたのだ。

 

 だから、あえていつもは通らない、カーブミラーがあるところを通って後ろを確認したのだ。

 

 するとどうだ。

 香野がいたのだ。

 

 そこからは、この状況を整理するのに精一杯だった。

 

 何をしているのか。

 どうして付いてきたのか。

 気付いていると言うべきか。

 言うのならどこで言うべきか。

 

 そんなことを考えていたら着いてしまったので、しょうがなく気付いていたということにした。

 

 で、今に戻る。

 

「気付いてないと思ったか? 香野」

「え、えーと。ぐ、偶然だねー」

 

 偶然な訳あるか。

 

 俺ももしかしたら、というのがあった。

 だから、いつもとは違う道にした。

 それで、確信した。

 こいつは、

 

 つけてきていると!

 

 だからこそ、そこを突く!

 

 だが、

 

「おい香野。それは違うぞ」

「ごめん! ただ、もう少し話したかったていうかなんというか」

 

 と、のたまうではないか。

 

(か、可愛すぎる……)

 

 その、遠慮がちな瞳とか少し俯いて赤面した顔を隠そうとしているとことか!

 攻略してやるとかいいながら、攻略されそうだ。

 これを地でやってるんだもんなー。

 ホントに好きな人の前だったらどうなんだろ?

 

「べ、別にいいぞ?」

 

 やべ、噛んだ。

 

「わ。ありがと。」

「お、おう」

「で、なに買うの?」

 

(あ、やべ。そこ失念してたわ)

 

 いま俺が買おうとしているのは、イラストが全面に押し出された、所謂ライトノベルだ。

 や、別にラノベを買うのは別にいい。こいつも俺がそうゆう趣味をもっていることは知っているし、ある程度許容もしている。

 中学のころはDVDも貸していたし、ホントアニメ化作なら大丈夫なはずだ。

 だけど、いまから買うのはねー?

 あれだ、エロを全面に押し出したやつだ。

 大丈夫だよ? 普通に面白いし。

 

(だけどなー)

 

 ま、しょうがないか。俺は振り切った。

 

「うん? 買うのはエロくて」

「あ、私買いたいのあったんだった。買い物終わったら連絡して?」

「お、おう」

 

(ありがとうございます、香野さん!)

 

 純粋にそう思った。

 だが、


「ちゃんと現実見なよ? そんな女の子ばっかじゃないんだよ? 現実で好きな人の前だったら急に脱ぎ始める女の子なんて空想だよ?」 

 

 と、ガチめのトーンで説教されたので俺は反省が必要だと思う。しないけど。だって、あれ面白いし。

 まあ、歯向かっても無駄だと分かっているので素直になっておく。

 

「はい、分かりました。じゃ、後で連絡するわ」

 

 と言い、逃げる。

 人間、逃げなきゃいけない時もある。

 後ろで、

 

「もう」

 

 と、可愛らしい声が聞こえてきたが聞かなかったことにする。

 

 

 本を買い、香野に買い終わったと連絡を入れる。

 雪にも連絡をしておく。

 

『まったく。しょうがないですね』

 

 と、返ってきた。帰りにデザートを買っておこう。

 

 

 店の入り口で香野を待っていると、買い物袋をバッグに入れていた。

 本当に買い物があったらしい。

 

「じゃ、行くか」

 

 駅まで一緒に行くと、香野は、

 

「じゃ、またねー」

 

 と、言ってきた。何を言っているのか。

 

「あん? ほら、一緒に帰るぞ」

 

 と、一緒に、を強調して言った。

 すると、当然香野は混乱する。そこを突く。

 

「いや、ほら、俺のせいで帰るの遅れたみたいなものだし。もう

 暗いし」

「う、うん。じゃあ、お願いしようかな?」

「おう、任せろ」

 

 そうして電車に乗る。

 案の定会話は生まれなかった。

 それでも、行きの時の気まづさは消えていた。

 

「最寄り、次だよな?」

「うん」

 

 それが唯一の会話だった。

 

 改札を抜け、駅を出ると、空はもう真っ暗だった。

 どちらともなく歩き出す。

 

 会話は生まれない。

 それが心地よかった。

 あの頃もこんな感じだったか。

 

 そんな事を考えていたせいか、気付くのが遅れた。

 

「いやっ!」

 

 香野が知らない男に話しかけられていることに。

 

「おい、お前ら何してる!」

「あん? うるせえな!」

 

 体が宙に浮く。

 殴られたのだ。

 背中から地面に叩きつけられた。

 とっさのことだったが、何とか受け身をとることが出来た。

 体育の授業は受けておくのに越したことはないな。

 

「いやっ!放して!」

 

 ちっ。

 どうする?

 警察を呼ぶか?

 いや、到着が遅い。

 声をあげる?

 ありだが、打開策にはならない。

 だったら?


 考えるよりも速く体は動いた。

 1人なら、いける!

 

 まず、110番にコールし、状況を説明。

 すぐ向かうとのことだ。

 

 次に、男を狙う。

 香野に気を取られていたせいで電話にも気付いていない。

 

 香野を襲っている男に膝蹴りをかます。

 男は苦悶の声をあげる。

 

 さすがに1発じゃ、きついか。

 

 もう1発蹴ろうとしたとき、横から棒が飛んできた。

 それは俺の背中を狙う。

 とっさに左手でカバーする。

 

「くっ!」

 

 失念した。こうゆう輩が単独で行動する訳がない。

 

 目標を変える。

 

 敵の殲滅でなく、香野の保護。

 

「香野、逃げろ!」

 

 その声ではっとなったのか、香野は急いで逃げ出す。

 だが、何を思ったか途中で止まる。

 

「永山君は!?」

「俺なら大丈夫だ! だから!」

 

 そこまで言って俺は相手を見るのを忘れていたことに気付く。

 相手の1人は棒、いや金属バットで俺の左腕を狙う。

 

 もう1人は香野を追う。

  

「させるか!」

 

 が、左腕を殴られ、追うことが出来ない。

 

 しかし、

 

ウー、ウー!

 

 警察のサイレンだ。

 それに恐れをなしたのか、男たちは逃げていった。

 

「こんなんしか出来ずに何を任せろだ」

 

 そこで俺は意識を失った。


読んでくださりありがとうございます!

良ければ、ブックマーク、評価よろしくお願いします!

つけてくださると作者大変喜びます!


また、これから少し更新頻度落ちると思います。

なるべく毎日投稿しようとは思います。

ですので、2話投稿したから翌日も2話投稿するとは限りません。

本当にすいません。

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