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予算

「えー、ではこちらでは各クラスの初期予算案と現段階での各クラスの予算の確認、それにともなう修正などをしていきたいと思います。ではまず各クラスの初期予算案から読み上げてから、修正がある場合には手を上げてください」


 こちらのグループが全員席に着いたのを確認してから谷川が説明を始めた。

 つっても、この段階で初期予算案との差異が出ることなんてほとんどないとは思うが。

 どこのクラスもどうデコったりどんな感じの教室にするかを練ってるだけだろうし。

 むしろ、差異が出たクラスは最初の予算の組み方が雑、ということになるが。

 それでも不安になるものはなるので、


「なぁ、須藤」

「はい?」

「俺たちのクラスってそこら辺は問題ないよな? 前にクラスで集まったときは問題なさそうだったけど」


 と、一応確認。

 こんなに『差異が出てるのはヤバイ』とか言ってて出てたらとてつもなく恥ずかしい。


「多分大丈夫だと思いますが。どうかしました?」

「いや、ならいいんだ」

「そですか」


 セーフ。

 まぁ、そうそう出ることはないだろうが。


「では、ここまでで3年生の確認を終わりにします。訂正はありませんね?」


 こちらが話している間に3年の予算の読み合わせは終わってたらしい。

 つか、今の2年ってやっぱ凄いのか?

 生徒会もそうだし、今回も2年がトップに立ってるんだし。


「無いようなので2年生に移りたいと思います。まずは1組からってこれ……は……?」


 2年の確認に移ろうとしたとき、谷川が驚いたような声を上げた。

 谷川のその驚いたような声は他の実行委員のどよめきによってかき消された。


(ん?)


 さすがにスルーするわけにもいかず、予算案が書かれた紙を見る。

 最初の方は3年。

 ページを何度もめくり、『2年文化祭予算案』と書かれたページをめくる。

 そして、お目当ての『1組』のページ。

 右側は初期予算案、左側に現段階での予算が書かれている。

 まずは右の方を見てから左を見る。


「なっ……」


 驚いた。

 初期の予算案は平均的な値がつけられている。

 が、問題は現段階での予算。


 約5万円の予算の増額。


 それが予算的に多いのか少ないのかは分からない。

 それでも、各クラスとは段違いの予算だとは思う。


「……えぇと、これはどういうことですか、1組?」


 谷川が驚きをなんとか抑えつつ、1組の実行委員に聞く。

 この場にいる全員が2年1組の面々を見る。

 そこには困り顔の3人と、自信に満ちた1人の顔があった。


「それについて、私から説明させていただきます」


 

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