登校と変化
「来ちゃった、お迎え」
「は?」
思考がフリーズした。だってそうだろう。来ると思わないだろ。
「なんで、お前、ここに?」
「あー、うん。実をいうと……」
「うん?」
「えーとね、大変言いづらいんだけどね?」
「あ、ああ」
なんだ? そこまで濁すことか? そう思っていると……。
「あ、美花さん! ホントに来てくれたんですね!」
はあ、もうわかった。このパターン、最近経験しまくった。
「おい雪。お前、香野呼んだだろ。」
「うん、そうだけど。なんで? もしかして、ダメ、だった?」
上目遣いで問うてきた。
だめだって、可愛すぎるんや。
「いや、悪いことはないぞ?」
「ほんと!? よかったー!」
「はあ。で、香野。俺、もうちょい準備に時間かかるが、外でまつ? それか、うち、入る?」
「あー、うん。じゃあ、おじゃましても、いいかな?」
「ん。雪、なんか飲み物出してあげて」
「はーい。美花さん何か飲みたいものあります?」
「私は何でもいいよ」
「じゃあ、お茶でいいです?」
「うん」
それを聞くと雪は台所に行った。
「とりあえずあがれ。ここで待たれても困るしな。雪が入った部屋で待っといてくれ」
「うん、わかった」
それを聞き、俺は部屋に戻る。部屋の扉を閉め、スマホを取り出す。ここで相談出来るのはあいつしかいない。
隼だ。
あいつなら、こんな経験何度もあるだろう。レインを開き、メッセージを送る。
「香野が家に来た。どうすればいい?」
すぐ、既読がついた。だが、返事が来ないので取り敢えず着替えることにした。
着替えを終え、スマホをみると、隼からメッセージがきていた。何か良いアドバイスがくるかと期待して開くとそこに映し出された文は、
『僕から言えることはないかな。この鈍感野郎』
(はー?)
役に立ちそうにないので、もう一人の知り合いに頼る。
「鈴、香野が家に来た。どうすればいい?」
今度もすぐ、既読がついた。だが、先程と違うのは、返信がすぐ来たことだ。その文面が、
『私から言えることはないかな。この鈍感野郎』
どうやらこいつも役に立たないようだ。
もう仕方ないので、階段を下り、リビングに入る。
「香野、少し早いけど行くか?」
「あ、うん。そうだね」
「じゃ、雪。戸締まりよろしく」
「はい。任されましたー。雪さん、兄貴、いってらっしゃい」
「ほーい」
家を出ると、香野が、
「雪ちゃん、可愛いね」
と、問うてきたので、
「そりゃ、そうだ。あれは天使だ。何が天使かって?それを話すと長くなるなるが……」
「あ、それいいや。」
「そうか?」
どうやら、こいつにはまだ早かったようだ。
しばらくお互いに何も話さずに歩いていると、駅が見えてきた。ここで電車に乗って高校に行くのだが……。
「あっ。香野お前何時に家出た?」
「あー。うーん。えへへ」
「ん?」
「えへへ」
「うーん?」
「えーと、5時ぐらい……」
「ばかか? 飯は?」
「女の子にそうゆうこと聞くのってデリカシーなーい」
「デリカシーなどなくていい。で、飯は?」
「……食べてない……」
「はあ。とりあえず、これ食っとけ」
といって、バックからおにぎりを出す。
「これは?」
「メイドバイマイシスター」
「いいの? これ、お昼でしょ?」
「別に。最悪購買で買えば良い。」
「ありがと」
「別に。そんなこといいから、さっさと歩け。乗り遅れるぞ」
「うん」
「ホント鈍感」
何か言ったような様な気がするが、気にしていられない。乗り遅れたら本末転倒だからな。
電車には乗れたが、気まずい。久しぶりに喋ったというのもあるが、昨日の夜の謎の宣言がヤバい。テンションがおかしかった。第一、何をどうすればいいのか、分からない。だから、結局いつも通りになる。
(ま、別にいっか)
行動に移したところで失敗するに決まっている。いつも通りにいこう。そう思った。
遅くなってすいません!
次も遅れると思いますが、今日中に出せるようにします。
読んでくださりありがとうございます!
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