日曜日
スマホに表示されたメッセージはこうだった。
『明日、大丈夫?』
うん、大丈夫。
身体は。
心は知らない。
心臓バックバクだわ。
「大丈夫だ」
無難な返しだろう。
するとすぐに既読がついて、
『分かった。とりあえず明日の10時集合でいい?』
「どこによ」
『あっ、忘れてた。じゃあ……』
そこは俺たちが学校の帰りに別れるところだった。
「おはよ」
「おう」
6月の最初の日曜日。
だからなんだ。
「で、どこ行くんだ?」
俺は行き先を教えられていない。
エスコートされる立場。
多分、本来は逆だと思う。
「まずは映画館! の前に移動」
「お、おう。どこに?」
「ええとね~、あっ、ここ!」
見せられたスマホの画面には名前を聞いたことがあるけど、どこにあるか全然知らない駅名が表示されていた。
いやただ知らないだけだわ。
なので、
「お、おう。行くか?」
ぐらいの反応しか出来ない。
いや、名前は知ってるんだけどね?
行き方が意味不すぎて。
「うん、そだね」
そうして俺たちは歩き始める。
片方行き方をしらないが。
電車に揺られ数十分。
ようやく目的地。
「ここ、か?」
めっちゃ都会に降りてしまった。
見渡す限りの人、人、人っ!
最寄りもある程度都会だとは思うんだがな。
それを越えてくるんだわ、簡単に。
さすが都内。
何回来ても驚くわぁ。
「ええと、ここからどうすんの?」
「うん? 映画館行くんだけど」
「だ、だよなぁ」
「?」
さて、俺はなにを質問したのか。
俺にも分からないね!
「じゃあ、行きます?」
「ん」
ようやく歩き出した、俺たちだった。
「いやー、おもしろかったな!」
「うん!」
「まさか、あそこでああなるとは!」
「あと、あれも良いよね!」
映画を見終わり、しばしの感想タイム。
「あー、あれな! あれもいいよな!」
「うんうん!」
なお、
「腹、減ったな」
「うん」
空腹に負けて終了。
空腹は最強。
人間の三大欲求に入ってるんだもの。
「飯は考えてあんのか?」
「うん、一応は」
「お、いいね。どこに行くん?」
「ちょっと離れてるところ、かな」
「お、おう」
「じゃっ、行こっか」
「おう」
数分の徒歩移動。
俺たちの目の前に現れた店は、それはまあシャレオツな店でした、まる。
「え、ここ?」
「うん、ここ」
「めっちゃ高そうやん」
「そんなことないよ? リーズナブル」
「まじかぁ……」
俺のなかの固定観念が崩れていく。
シャレオツはお値段が張るという固定観念が。
まあ、崩れたところでなんの問題も無いんだけどね?
「ええ、と。入る?」
「うん」
店に入って驚愕。
店員もシャレオツだった。
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