屋上にて
「俺が担任に聞かれたときは、期末が終わるまで待つと言われたんだが?」
「えぇ。それは知っています」
「なら」
「ですが、状況は変わったんです!」
ドヤ顔で生徒会役員。
いやなにが?
「と、いうと?」
「……」
「ん?」
「……」
「……」
「……あれですあれです! 現場の状況は会議室には分からない的な!」
あー、あれか。
どっかで聞いたことあるぞ。
「役員さーん。それって誰の判断?」
おっ、鈴。
それは確かに気になる。
「えぇとですね……」
「もしかして、生徒会長の指示でしょうか?」
こちらは須藤。
「いや、そうではなくてですね……」
「そうなんですか? ゆかりさん」
と、隼。
「いや、そんなことは指示してないぞ? 確かに、永山君と一緒に仕事をできるなら嬉しくはあるが」
それに答える生徒会長。
「なら、誰からの指示なんでしょう? 先程の言葉から考えるに、現場。すなわち、役員さんたちになりますが?」
とは香野。
「どうなんだ?」
「えぇと、ですね……?」
「ん」
「校長からの指示です……」
「やっぱしあのじいさんか」
「ごめんね? 永山君……」
「いや、いいですよ。ただの孫大好きおじいちゃんと考えれば可愛いですから」
「えぇと、どゆこと、健?」
「あー、ね? 会長、解説よろです」
「はぁ……」
ため息をしてから解説を始める会長。
「えぇとね? 私のおじいちゃんが学長だってことは知ってるわよね?」
それに須藤以外の面々は首肯する。
あ、ちなみに生徒会役員たちは座り込んでいます。
「まぁ、それがあって。で、おじいちゃん、私のことが大好きなの。自分で言うのもあれだけど」
「それでね? こう、私が言ったことは忘れないでいてくれるの。
あ、私、3世帯で住んでるの」
「で、言っちゃあれだけど、お金があるから大抵叶えてくれるんだ。まぁ、そういううことだから、小学校の中学年ぐらいかな? おじいちゃんの前でそういったことは言わないようにしてきたんだ」
「とはいっても、お願いすることもあるんだけどね? まぁ、そうなると、多少の独り言でも叶えようとしてくるからさ。嬉しいは嬉しいんだよ?」
「だから、今回のことも、そんな感じかなって。直接言ってはいないから」
納得、しただろうか。
俺もこのことがなかったらこの人と……。
いや、まぁいい。
「そういうことだ。分かったか?」
その答えは、小さいながらも、首を縦に振ることで返された。
「では、解散!」
俺の掛け声と共に
キーンコーンカーンコーン
と、チャイムがなる。
「ではなっ! 生徒会役員!」
逃げるんだ、全力でっ!
働きたくないからなっ!
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