朝に2
「香野、今いいか?」
手にしたスマホにそう文字を打ち込む。
送信。
するとすぐに既読の文字がついた。
『うん。なに?』
大丈夫らしいのでこう返す。
「雪が熱を出したんだけど、途中でゼリーとか買ってきて貰ってもいいですか?」
『大丈夫だけど、雪ちゃん大丈夫?』
「うん。熱はあるけどそこまでではない」
『よかった。じゃ、待っててね』
「ありがとう」
そう最後に返し、スマホをスリープモードにする。
「雪、なんか飲むか?」
「……うん。お茶がいい」
「了解」
うーむ。
一応病院には連れていった方がいいかもな。
かれこれ20分ほどたっただろうか。
ピーンポーン
チャイムが鳴る。
あれ? これってチャイムだっけ。
ま、いいか。
そんなことを考えながら玄関に向かう。
ガチャッ
「おはよ」
「ん。おはよう」
挨拶を交わして香野を家に招き入れる。
「ほんと悪いな」
「ううん。誰だって風邪はひくし。あっ、はい」
「おっ、ありがとな。どんくらいかかった?」
俺は香野からレジ袋を受け取りつつ聞く。
「いいよいいよ」
「いやっ、でもなぁ」
「その代わり、明後日付き合ってよ」
「明後日?」
明後日といったら日曜日。
用事はないが。
いつもないが。
「明日じゃだめなのか?」
「えぇと、今私はなぜゼリーを買ってきたのでしょうか」
「あっ」
そうゆうことか。
明日は雪が治ってるか怪しいけど明後日なら治ってるんじゃないかと思ってのこと、か?
まぁ、それなら納得はできるが、
「でも、明後日も治ってなかったら?」
「そしたらそしただよ。来週に振り替えることだって出来るでしょ?」
「おう……」
意地でも遊ぼうとするな。
いや、いいんだけどね?
そうして俺と香野が遊ぶ約束をしていると、
「あのー、そこでイチャイチャされても困るんですけどぉ」
雪からもっともな意見が発せられた。
イチャイチャは否定させていただくがな?
「ほいっ、香野にしっかり感謝しておくように」
「なんで兄貴が偉そうにしてるの? それはいいとして美花さんありがとうございます」
「うんん。病人は世話されてなんぼなんだから。早く元気になってね?」
「はい! 兄貴のためにも速攻で治します!」
「よろしい」
なんか俺が偉そうとかなんとかのあれは放置ですか。
そうですか。
「で、健君は午後から学校来れるの?」
「あぁ」
「ん。あっ、じゃあ今日は勉強会できないか」
「あー、そうだな。伝えといてくれるか?」
「うん。任されました」
そうして香野はドアを開ける。
「じゃあまた学校で」
「おう。また学校で」
香野を送り出してさぁ、俺はどうしましょ。
まぁ、決まっている。
「雪、服着替えて。病院行くぞ」
「はーい」
病院に連れていかなくては。
病院の場所あやふやだが。
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