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テスト対策開始

 今日は水曜日。

 1週間の折り返し地点だ。

 この曜日をどうとるかは人によって変わる、だろう。


「あと半分だ」


「まだ半分だ」


 基本はこの2つの意見だろう。

 というよりこれ意外ある?

 まぁ、今はそれはどうでもいい。

 今大事なのは、


「えぇと、た、健君……?」

「お、おう。どした……?」

「手、止まってる」

「お、おぉ……」


 馴れないないなぁ、この感覚。

 まぁ、こういうことだ。


「やっと名前で呼んでくれた」


 か


「まだぜんぜん呼ばれてない」


 だ。


 う~む。

 まぁ、前者だろう。

 少しは俺と香野の仲も深まっただろう。うん。


 そう俺が結論をつけていると、


「あの~、私のこと忘れないで下さい。健くん」


「あ、はい」

「反応薄くないですか?」

「そ、そうか?」

「別にいいですけど! さっさとここ解く!」

「はぁい」


 地獄だぁ……。



 時は放課後。

 図書室でテスト勉強をしていたのだ。


「ここはこう解けばいいのか?」

「そうそう」


 俺と香野と須藤の3人でのテスト勉強会だ。

 鈴と隼は個人で勉強するそうだ。

 薄情め。

 そんなこんなで3人。

 問題はない。


「健くん、そこの主人公の気持ちはそれであってる?」

「うーん、あっ、そっか」

「うんうん」


 俺たちは役割を分けている。


 理数系は香野。

 文系は須藤。

 聞く専は俺。


 完璧な布陣だ。

 欠陥は見当たらないね!



 かれこれ2時間は勉強しただろうか。

 外は薄暗くなり始めていた。


「うしっ、もう帰るか?」

「うん、そうだね」

「その方がいいかもですね」


 意外にも簡単に帰らせてくれるようだ。

 疲れてるだろうしな。


「じゃあ、明日までにここまでやってきてね? 健君」

「ここまでやってきてくださいね? 健くん」


 簡単には帰らせてくれないようです。

 そういえば馴れてきたな、健君、健くん呼び。



「で、お前ら方向同じだっけ?」


 駅につき、とりあえずの確認。


「そうだけど? ね?」

「えぇ、そうですが?」


 ならばよろしい。


「うしっ、一緒に帰るぞ!」

「「はぁ?」」

「えぇ……」



 まぁ、何とか一緒の電車に乗ることができた。


「須藤、最寄りは?」


 そこで須藤が口にしたのは聞いたことのある駅名だった。


「あれっ、じゃあ……」

「はい、同じ駅なんですよ~」

「へ~」

「だからこそ、というんですけどここから健くんの最寄りまで多分すごい時間かかりますよ? だから……」

「それ以上は言わないで」

「はーい」

「はぁ、まったく」


 何だ? この会話。

 突っ込んではいけないことだけは分かった。


「となるとまだまだかぁ」

「そうだね」

「そうですね」

「何か、ない?」

「何かって何よ」

「何でしょう?」

「何だろうな」

「何だろ」

「何でしょうね」 

「……」

「……」

「……」

「うん、分かった、これ無限ループだわ」

「今更?」

「今更ですか?」

「おいっ……」


 だめだこりゃ。


読んでくださりありがとうございます!

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