解決
「結局、下落ちでしたか」
「あぁ」
一日明けた今日。
妥当な判断が下されたことを俺は知った。
「まぁ、よかったです」
「私もそう思う」
今は放課後。
そしてここは生徒会室。
帰りに放送で呼び出しかかったときはびびった。
「でも、速かったですね。明日から転校とは」
「私もそう思ってね、調べてみた。そしたら……」
「長谷川君が絡んでいた」
「あー……」
言われて思い出した。
(あいつ金持ちだったな、そういや)
「てことは、金で判断を急がせた、そうゆうことですか……」
「そうなるね。まぁ、友達が危険にさらされたんだ。しょうがないだろう」
「俺もそう思います」
昨日の違和感の正体はこれか。
確かあいつ金を使うの嫌ってたもんなぁー。
それでも使ったか。
「本当に友達想いですね、あいつ」
「は?」
「へ?」
「あ、いや、知らないのならいいんだけど……」
急にポンコツ口調になったぞ。
何かあるな。
「何ですか?」
「知らないなら知らない方がいい」
「何ですか?」
「知らないなら……」
「はぁ。帰ります」
「え? いいの?」
「まぁ、なんか、ほんとに言いたくない雰囲気だったんで」
「う、うん。じゃあね」
「はい」
そう言って俺は生徒会室から出る。
気にはなるが、しょうがないだろう。
「ただーまー」
「おかえりー」
家に入ると、いい匂いがした。
「おー、いい匂いすんな~」
「でしょでしょ~」
靴を脱ぎながら匂いの正体を探る。
「もしや今日は餃子か~」
「うん、そうだよ~」
「お~」
「心配はしてないだろうけどにんにく抜きだよ~」
「いいね~」
靴を脱ぎ終え、自室に向かう。
自室で服を着替え、階段を下り、洗面所で手を洗う。
(完璧)
そう心のなかで呟き、リビングに向かう。
ドアを開き、中に足を踏み入れる。
「おー、めっちゃいい……」
そこで俺は気づいた。
リビングに別の男がいることに。
「お、親父っ! なんでいるっ!」
「それはこっちの台詞だ、馬鹿息子」
なんてこった。
「で、最近の学校はどうなんだ? 最近あんまり帰ってこれなかったからな」
「まぁ、ぼちぼち?」
「そうか、ならいい。成績も私の予想を越えている」
「ほう」
「先生からの評判もいい」
「はぁ、てかどこで仕入れたその情報」
「だがな、だが……」
うわスルーしたよこの人。
「何故、女の子とイチャイチャしている!」
「おいてめぇの情報網信用ならねぇぞ!?」
「はい、さっさとご飯の準備する」
「「あっ、はい」」
この戦いは持ち越しだな!
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