交換と通話
(どうしよう……)
スマホの画面を見て思う。こうゆうときの対処法を俺は知らない。まず、レインを隼や鈴、家族以外と使うのが始めてだ。
『電話して良い?』
このメッセージが来てから10分は経つ。このまま既読スルーでも良いとは思うし、だけどそれもなんか違う気がする。第一、どうしてこんなことになったのか。そこから思いだそう。
「レイン、交換しよ?」
香野のその提案に俺は戸惑っていた。
例えトラウマの原因だとしても、こんな可愛い女子からのこの申し出を断るのは男としてどうなのか、という気持ちもあった。
(第一、このトラウマは勘違いした俺が悪いんだ。だから、香野は悪くない)
そう思わなくもない。仲の良い友達として接してくれていた香野に勝手に期待して、勝手に失望したのは俺自身なんだから。
そんなことを考えていたら、先程まで下を向いて俯いてた隼が口を開いた。
「まあ、そんな悩むことかな? 健の気持ちも分かるけど、取り敢えず交換して、気に食わなかったらブロックでもすればいいことだし」
(確かにな)
純粋にそう思う。もしかしたら、日々のやり取りでトラウマも安らぐ可能性だってある訳だし、それは大変魅力的だ。
だけどな、それでもな、隼……。
「どうしてそんなへらへらとしていられるのかな!?」
「いやー、ホント鈍感だなーと思ってたら、ついね」
まじでこいつらナニイッテルノ? チョットボクワカラナイヤ。きっとあれだ。俺とこいつらじゃIQに差がありすぎるんだ。
だから、意味が分からない。そうゆうことだろうね、うん。
「まあ、取り敢えず交換したら? じゃないと私がここに来た意味がない」
「そういえば鈴さん。あなた何でここにいるの? 遊びに行ったんじゃなかったの?」
「あー、それねー。途中で抜け出して来た。こんな面白いことを逃してたまるものか! ってね」
さすが鈴さん。相変わらずパワフル。
(だけどありがとな。お陰で吹っ切れたわ。)
心の中だけでそう呟く。言ったら調子に乗るに決まってる。
(ホントにありがとう)
もう一度心の中で呟いてから口を開く。
「香野。いいぞ、交換しよう」
香野の笑顔がとても印象に残った。
うん、これ絶対俺の自業自得だわ。うわー、どうしよう。
取り敢えず枕に顔をうずめ、叫んでみる。うわー。ついでに足をバタバタさせる。
「静かにしろ! バカ兄貴!」
俺の部屋の扉を勢いよく開けて入ってきたのは、めちゃんこ可愛い女の子だった。俺もこいつと血、繋がってるはずなのだが。
まあいい、計画通りだ。
「あー。ハイハイ、可愛い、可愛い」
「うるさい、黙れ」
「とかいってる割には、顔、赤いですよ?」
「うるさい!」
この可愛い女の子は俺の1つ年が違う妹の雪だ。まず、可愛い。何が可愛いって、はにかんだ笑顔が可愛い、ジト目が可愛い、しっかり屋だけどたまに見せるドジなところが可愛い、そして、頭が良くて、運動神経も良い、学校では生徒会をやっていて、実は照れ屋でそこが可愛い、可愛い。おっと、勘違いされては困るが俺はシスコンじゃないからね? ただ、可愛い妹に可愛いと言ってるだけだからね?
まあ、いい。ここからが本題だ。
「雪。相談がある」
「うん。それって美花さんが同じ高校だって話でしょ?」
「なぜ、それを……!」
「普通に鈴さんが教えてくれたよ?」
そう言い、雪は手に持っていたスマホをこちらに見せてくる。
「ホントだ」
あんにゃろー、今度締めてやる。
「でしょ? で、相談って?」
「あ、あぁ。それなんだが……」
「で、今の状況になるわけ」
「普通に電話すればいいじゃん」
「そうはいってもなー」
「取り敢えずスマホ貸して」
「はい」
そうすると妹は、スマホを操作し始めた。
う~ん? 俺、ロックかけてたのにな~? 雪の誕生日で。
すると、操作が終わったのかスマホを雪が返してきた。
そこに表示されるのは、通話中の文字と香野美花の名前だった。
「はい?」
「じゃ、あと頑張ってね? 私、お風呂入ってくるから」
「おい、ちょっと……!」
扉を閉めて帰ってしまった。
「あのー、永山君?」
どうすんだ、これ。
読んでくださりありがとうございます!
また、少し短いです。もう少し長く書きたい……!
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