騒ぎ2
「う、うわぁぁぁん……!」
うーむ、どうしたものか。
いや、それよりも。
「そういえば、例の男は?」
そう近くにいた女子生徒に聞く。
「さぁ? さっき先生が来て逃げていったけど……」
「うん? 先生来たのか?」
「うん……」
どうゆうことだ?
この状況で置いていったのか?
「あっ、でもそのままってわけでもないんだよ? ちゃんと鈴ちゃんに体調とか聞いてたし」
「そう、か。ならよかった」
となると、鈴のやつが見栄を張ったのだろう。
だが、さすがにこのままは駄目だろう。
人が多すぎる。
せめて移動しないと。
あっ。
あそこなら。
「香野。とりあえず鈴教室の外に連れてくぞ」
「えっ? あ、うん」
意図は通じたようだ。
「鈴ちゃん立てる?」
「……うん」
鈴はふらふらしながらもなんとか立てた。
「えーと、体調不良っていっておけばいい?」
「あぁ、頼む」
この女子生徒理解速すぎだろ。
教室を出てから少ししてから、
「どこ行くの?」
と、香野が聞いてきた。
「まぁ、信頼は出来る場所だ」
「えぇと? 保健室じゃない?」
「当たり前だろ。保健室じゃ俺たち教室に戻されるぞ?」
「いや、うん……?」
「簡単だ。この学校の最高権力を使うのさ」
「入るぞおらぁっ!」
「きゃっ!」
と、可愛らしい声をあげたのは俺たちの高校の生徒会長である山本ゆかり。
「なっ、何かね?」
「あー、簡単なことだ。俺たちがここで授業をサボるのを黙認、そして情報を握りつぶして欲しい」
「君自分がなに言ってるか分かってる!?」
「えぇ、分かっていますとも。山本毅現青岩高校校長の御令孫様でいらっしゃる山本ゆかり生徒会長?」
「うっ、ぐっ……」
その言葉を放つと会長は苦虫を噛み潰したような顔になったかと思えば顔を赤らめ、
「その事は言っちゃだめっ! 何度も言ってるでしょ!? あなただけよ!? まだその事言い続けてるの! 大体の子は睨めば言わなくなるのにどうして!?」
「いや普通にこんな良いゆすりのネタ忘れられるわけないでしょ」
「だーかーらー! 忘れなさいよ!?」
「えー? 無理ですよ。会長がおじいさまとキャッキャウフフの……」
「あーもう、分かった、分かりました! だから、それ以上は言わないで!?」
「あーはい。お願いします」
「はぁはぁ……」
めっさ疲れてるな。
そんなに嫌か? あのぐらい普通だと思うが。
「えぇと? どういうこと?」
「会長がここを使ってもいいと言ってくれた。揉み消してくれるともいった。以上」
「う、うん」
「美花ぁ~、もう横になっても良い?……」
「えっあっうん。あっ、会長、布団あります?」
「そんなもの置いてあるわけ……」
「そこの戸棚の上から2番目」
「あっ、あった! 使わせていただきます、会長」
「う、うむ……」
会長がこちらを睨んでくる。
「いやいくら会長が成績優秀とは言え、たまに授業サボるのよく見ますからね? で、ここで寝るのも、ここに布団があるのだって分かりますよ」
「……えっ? ストーカー……?」
「なわけ。堂々と生徒会室を開けて準備してたらね~?」
「すいませんごめんなさい、今度から気を付けます……」
こっちは片付いたな。
さてあちらは
「静かにして」
「あっ、はい」
こっちも終わったようだ。
では、
「会長、ゲーム出してください」
「なんで知ってるの!?」
なんでもなにも。
机からコードはみでてるんだよなー。
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