買い物
「永山君ではなく、健君と呼んでもいいですか?」
発言から1日。
今日は土曜日。もうすぐ6月だ。
あの場では、
「おっ、おぉ。いいぞ?」
という謎の返しをして返ってきたが次会うときにどうゆう顔をして会えばいいのか分からん。
(今日が土曜でよかった……)
と、つくづく思うのであった……。
ジュー、ガタガタ。
トントン、サッサッ。
そんな音が聞こえて目を覚ます。
「うんぁ?」
どうやら寝落ちしたらしい。
布団が掛けられてる。
そしていい臭いがする。
起き上がり、匂いのする方を見てみる。
「おっ、雪。おはよう」
「ん。てかもう昼だけど」
「まじか」
「うん、取り敢えず食器とか出しといて」
「ほーい」
と、言われたので食器を出す。
「あっ、母さんとかのは?」
「今日も要らないってさ。今頃2人とも寝てる」
「りょ」
会社勤めって大変。
もしや、俺も将来ああなるのか……?
食器を出し、ついでにお茶を出したらやることが無くなった。
うわー暇だーと、呟きつつ雪の方を見やる。
うむ。まず料理をする立ち姿が完璧だ。更にはその料理からはいい匂いがする。フライパンの使い方も完璧だ。
そして何より、エプロン姿が最高だ。
もうお嫁さんに出せるのでは?
いや、出さないけど。
何としてでも阻止しますが。
え、ブラコン? 何ですかその言葉。
と、まぁ雪の可愛さをひたすら考えてたらご飯が出来たようだ。
今日の昼飯は、オムライスか。
最高だな。
「「いただきます」」
声を合わせ、食べ物に感謝。
では、まずは一口。
あむっ。
「うまっ! なにこれ。うまっ」
「うん、ほんとだ。うまいっ」
「な~」
「すごいでしょ~」
「うん、すごい」
まじでうまい。
あ~、最高。
そんなこんなで完食。
いい感じに腹が膨れたので、テレビを見ながら人心地ついていたら、
「あっ、兄貴~」
「うん~、なんだ~?」
「買い物頼まれてくんない?」
「いいぞ~、どこに? なに買いに?」
そう聞くと雪は、数駅離れた大型ショッピングモールの名前とよく分からん製品名の化粧品を言ってきた。
「あ~、あそこね。いつもいく本屋の近くの」
「いつもいくかは知らないけどたぶんそこ」
「らじゃ~、んじゃいってくる」
「ありがと」
「なんのなんの。可愛い妹の為だしな。その代わり、ちゃんと勉強しとけよ?」
「うん、わかった」
そう言って雪は階段を上っていった。
う~ん、この後すぐ財布とか取りにいくのはなんだかなぁ。
ちょっと待と。
かれこれ5分ぐらい待ってから荷物を持って、いざ、決戦へ!
……
……
いや、ちょっとふざけただけだからね?
ホントだよ?
家を出て、駅に向かう。
むっさ暑いね!
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